人工制限酵素を用いたミトコンドリアゲノムの改変

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24248001
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 堤 伸浩 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00202185)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: ミトコンドリアゲノム編集 / TALEN

研究実績の概要

植物の生育を支える遺伝情報は、核ゲノムの他、葉緑体、ミトコンドリア内のゲノムにも格納されている。ミトコンドリアゲノムは多細胞生物においては唯一人為改変が不可能であり、本研究では、これを近年発展が著しい人工制限酵素を応用することで植物ミトコンドリアゲノム上の任意配列の破壊をめざした。人工制限酵素として、二つ一組で働くタンパク質であるTALENを使用し、これにミトコンドリア局在化シークエンスを付加した発現ベクターを作製し、シロイヌナズナの核ゲノムに導入した。当初作製したベクターでは、二つの遺伝子を同時に安定高発現（誘導発現）することならびにミトコンドリア局在性能に問題があることが判明したため、この部分を改変し、どちらも大幅に改良することに成功した。また、TALENによるDNA認識配列および切断活性には一般的に不安定性がみられることから、複数のターゲット配列に対して、それぞれ複数のTALEN酵素とその組み合わせを発現させるベクターを作製した。また多種類のTALEN発現ベクターを簡便に作製するためのシステム構築に成功した。これらのベクターを組み込んだシロイヌナズナについて、形質転換T1世代においてTALENの発現を確認した上で、ミトコンドリアゲノム上のターゲット配列における変異を探索したが、現在のところまだ同定できておらず、引き続きT2世代並びに数を増やして検出を行っている。研究の過程で、TALENの制限酵素サイトを改変し、一分子でDNA認識ならびにDNA切断を行うcompactTALENが報告されたため、これを用いたベクター作製ならびに形質転換までをおこなった。また、さらに最近でてきた人工制限酵素であるCRISPR/CAS9システムについても、植物ミトコンドリアをターゲットとするベクター作製までを完了した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Arabidopsis dynamin-related proteins, DRP2A and DRP2B, function coordinately in post-Golgi trafficking (2014)
  • 著者名/発表者名: Huang, J Fujimoto, M Fujiwara, M Fukao, Y Arimura, S Tsutsumi, N
  • 雑誌名: BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS 巻: 456 ページ: 238-244
  • DOI: 10.1016/j.bbrc.2014.11.065
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] RCN1/OsABCG5, an ATP-binding cassette (ABC) transporter, is required for hypodermal suberization of roots in rice (Oryza sativa) (2014)
  • 著者名/発表者名: Shiono, K Ando, M Nishiuchi, S Takahashi, H Watanabe, K Nakamura, M Matsuo, Y Yasuno, N Yamanouchi, U Fujimoto, M Takanashi, H Ranathunge, K Franke, RB Shitan, N Nishizawa, NK Takamure, I Yano, M Tsutsumi, N Schreiber, L Yazaki, K Nakazono, M Kato, K
  • 雑誌名: PLANT JOURNAL 巻: 80 ページ: 40-51
  • DOI: 10.1111/tpj.12614
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dynamin-related proteins in plant post-Golgi traffic (2014)
  • 著者名/発表者名: Fujimoto, M Tsutsumi, N
  • 雑誌名: Dynamin-related proteins in plant post-Golgi traffic 巻: 5 ページ: 408
  • DOI: 10.3389/fpls.2014.00408
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Microarray analysis of laser-microdissected tissues indicates the biosynthesis of suberin in the outer part of roots during formation of a barrier to radial oxygen loss in rice (Oryza sativa) (2014)
  • 著者名/発表者名: Shiono, K Yamauchi, T Yamazaki, S Mohanty, B Malik, AI Nagamura, Y Nishizawa, NK Tsutsumi, N Colmer, TD Nakazono, M
  • 雑誌名: JOURNAL OF EXPERIMENTAL BOTANY 巻: 65 ページ: 4795-4806
  • DOI: 10.1093/jxb/eru235
  • 査読あり
• [雑誌論文] Flower Bud Formation of Sacred Lotus (Nelumbo nucifera Gaertn.): A Case Study of 'Gyozankouren' Grown in a Container (2014)
  • 著者名/発表者名: Ishizuna, F Tsutsumi, N
  • 雑誌名: HORTSCIENCE 巻: 49 ページ: 516-518
  • 査読あり
• [雑誌論文] Rice alcohol dehydrogenase 1 promotes survival and has a major impact on carbohydrate metabolism in the embryo and endosperm when seeds are germinated in partially oxygenated water (2014)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, H Greenway, H Matsumura, H Tsutsumi, N Nakazono, M
  • 雑誌名: ANNALS OF BOTANY 巻: 113 ページ: 851-859
  • DOI: 10.1093/aob/mct305
  • 査読あり