研究概要 |
本研究は以下の4項目により構成されている。項目別に概要を記す。 (1)遺伝子単離と機能解明: S23の候補領域70 kbを包含する領域に関して、バイナリーベクターpYLTAC7を用いた平均断片長30kb程度のゲノミッククローンライブラリーの構築を行い、現在スクリーニングを行っている。S22Aに関しては約1920個体を用いた高精度連鎖解析の結果、約150 kbの領域に絞り込まれた。候補領域内にF1花粉不稔遺伝子S22Bと類似した遺伝子を三つ発見したので、そのうち二つをバイナリーベクターpPZP2H-lacにクローニングし、相補性検定のための形質転換を開始した。 (2)原因変異の同定: 遺伝子単離済みのS22BおよびS28に関しては、T65アリルとglumaepatulaアリルのキメラ遺伝子を花粉半不稔個体に導入した形質転換体を作製し、原因変異を特定する。本年度はS22Bに関しては、計画した5つのうち4つ、S28に関しては、計画した3つのうち、3つのキメラ遺伝子を作製することができた。バイナリーベクターへの移し替えを開始した。 (3)対立遺伝子間の多様性解析: S21(=S23)に関して行っている。S21-gla NIL, S23-glum NIL, S23-ruf NIL, S23-mer NILのハーフダイアレル交雑を行い、F1種子を得た。O. glumaepatulaのコアコレクション(ランク1, 2, 3)を遺伝研から分譲を受け、マリ原産O. glaberrimaとの交雑を行いF1種子を得た。 (4)S遺伝子座の分子系統学的解析: AAゲノム種コアコレクションについてS遺伝子および近傍ゲノム領域に関して配列解読を行う。本年度は遺伝研コアコレクションの分譲を受け、植物体育成とDNA抽出を行った。台中65号との交雑F1種子の作製を行った。
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