研究課題
主要作物イネの遺伝的改良を目標として、次世代シーケンサーによる全ゲノム解析と新技術「QTL-seq法」(Takagi et al. Plant J. 74:174-183)により、迅速に有用形質を支配する量的遺伝子座(QTL)を単離同定する。さらに、名古屋大学石浦正寛研究室開発の世界最先端の生物発光リアルタイム計測技術とQTL-seq法を併用することにより、耐病性信号伝達系に関与する遺伝子群を網羅的に同定単離することを目指す。平成26年度の研究実績概要は、以下の通り。1) QTL-seq法によるイネ量的遺伝子座の単離同定QTL-seq法を活用して昨年度までにゲノム上の大まかな位置を同定したイネ高度耐冷性QTL、出穂期QTL、低温発芽性QTL、いもち病圃場抵抗性QTLについて、さらに詳細な位置決定を進めた。これらのQTLについてDNAマーカーを設計した。2) 生物発光リアルタイム計測技術とQTL-seq法の合体本年は、早期の実験系確立の目的で、シロイヌナズナを用いた実験に集中した。耐病性遺伝子WRKY29のプロモーターとLuciferase遺伝子を結合したDNA断片で形質転換したシロイヌナズナCol系統を作出した。本系統液体培養個体にエリシターflg22ペプチドを処理後、生物発光リアルタイム計測装置で計測すると、短時間でLuciferase活性が上昇する事が確認された。そこで、本系統を5系統の野生系統と交配してF2を得た。今後、F2における発光タイミング、発光強度の分離を確認し、QTL-seq解析を実施予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 5件)
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