研究課題/領域番号 |
24248006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金山 喜則 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10233868)
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研究分担者 |
田尾 龍太郎 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10211997)
高橋 英樹 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20197164)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 果樹 |
研究実績の概要 |
園芸作物においてゲノム関連情報の集積が進んでいるが、生産への貢献度は必ずしも高くない。その主な理由の1つに、遺伝子機能を証明するためのファンクショナルゲノミクスの手法が、多様な種を含む園芸の分野において確立していないことが上げられる。そこで、園芸作物へのウイルス誘導性ジーンサイレンシングの適用によって、有用遺伝子の機能同定を加速化し、蓄積するゲノム関連情報や分子レベルでの情報の有効活用を広く園芸分野において図ることを本研究の目的とする。上述の目的にもとづいて、ファンクショナルゲノミクス推進のための基盤的研究を推進することとした。園芸作物は多種多様な種を含むことから、園芸学的に有意義なファンクショナルゲノミクスを推進するためには、機能解析を行うべき遺伝について、その発育に関わる特性にとどまらず、園芸生産上の有用性を吟味する必要がある。本年度においては主に果樹において機能解析の対象となる遺伝子の単離と、果樹の発育における役割や園芸学上の有用性の解析を行った。果樹は特に幼若性を有するとともに個体が大型化するため、通常の形質転換法を適用することは大変困難であるという特徴を有する。具体的には当研究グループにおいて研究実績を有する幼若性やストレス耐性、ポリオール代謝関連遺伝子等が対象であり、これらの分子レベルのデータを取得した。例えば、ポリオールはバラ科果樹における転流糖であるとともに環境ストレス耐性に関与する物質であることから、その代謝に関わる遺伝子について検討した。また引き続き多様な園芸作物において適用可能なウイルスベクターの開発を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の観賞植物における有用遺伝子の検討に続いて、平成26年度は果樹を中心として有用遺伝子の検討をおこない、発育生理学的な視点からの重要性のみならず、生産上の重要性にも関連して評価をおこなうことができた。関連する業績について、研究発表をおこなうなど、適切な進捗状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引続き対象となる有用遺伝子の解析をおこなうとともに、これまで野菜、観賞植物、果樹で明らかにしてきた有用遺伝子の発現調節に利用するためのサイレンシングベクターの検討を行うこととする。課題の推進においては、特に園芸学上の重要性を認識して進める必要があるが、これまでの方向性に沿うことで、特段の問題はないと思われる。
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