研究課題/領域番号 |
24248014
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
馬 建鋒 岡山大学, その他部局等, 教授 (80260389)
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研究分担者 |
山地 直樹 岡山大学, その他部局等, 助教 (00444646)
三谷 奈見季 岡山大学, その他部局等, 助教 (40581020)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ヒ素 / カドミウム / イネ / トランスポーター / 品種間差 |
研究概要 |
1. 選抜したカドミウム高集積イネ品種7021と低集積品種7133の染色体置換系統群を用いて、同一の栽培環境下で収穫した種子中のカドミウム濃度を測定した。その結果、染色体3番と5番の置換系統がカドミウム高集積を示した。しかし、両系統のカドミウム集積に出穂期の遅れが影響を与えている可能性がある。また同じくカドミウム高集積イネ品種7029と7133との染色置換系統群を用いて、染色体7番の置換系統のみ、高カドミウム集積を示した。しかし、これも出穂期が影響している可能性があった。 2. カドミウム高集積品種7068と低集積品種7050のF2マッピング集団を作成し、カドミウム集積に関与するQTL解析を行った結果、染色体1番と7番に新規のQTLが検出された。また根のカドミウムの吸収にマンガン輸送体として同定されたOsNramp5が関与していることを明らかにした。OsNramp5を破壊すると、地上部の各組織及び玄米中のカドミウム濃度が大幅に低下した。しかし、生育量及び収量も大幅に低下した。これはマンガン欠乏によって引き起こされるものである。またOsNramp5の発現量を様々なイネ品種で調べた結果、品種間で最大3倍の差があったが、種子中のカドミウム濃度との相関は認められなかった。 3. 節のレザーマイクロダイセクションを行い、肥大維管束、分散維管束で高発現するトランスポーター遺伝子をマイクロアレイで解析した。現在選抜したいくつかの遺伝子の機能について解析している。 4. ヒ素低集積品種について解析した結果、亜ヒ酸の吸収に関わる輸送体Lsi1遺伝子の発現がヒ素によって抑制されている可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した実験はほぼ順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
集団を拡大して、カドミウムとヒ素の集積に関わるQTL遺伝子の同定を行う。
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