研究課題
7069(日本晴)と7263(低カドミウム集積)とのマッピング集団を作成して、カドミウム集積に関与するQTL解析を行った。その結果、染色体4, 6, 11と12にQTLが検出された。そのうち、染色体4番と12番に検出されたQTLは新規で、6番と11番のQTLは他の集団で検出されたQTLと同じであった。また7050x7068の集団で検出された二つのQTLについて、F3とF4集団を用いて、更なるマッピングを行った。その結果、7番染色体のQTLは300kbまで狭めることができ、また1番染色体のQTLは1.2Mbに狭められた。カドミウム集積に関与する遺伝子OsHMA3について更なる解析を行った。OsHMA3を過剰発現させると、カドミウム耐性が高まった。またOsHMA3は亜鉛も輸送するため、根での亜鉛の濃度は過剰発現体で高かったが、地上部では野生型と同じであった。これは亜鉛の輸送に関与する四つの遺伝子がOsHMA3過剰発現体で常に高く発現していた。さらにOsHMA2プロモーターの下流にOsHMA3をつけたコンストラクトを作成して、形質転換体を作成した。その結果、種子のカドミウム濃度が大幅に減少した。カドミウム超集積植物グンバイナズナで、NcNrmap1がカドミウムの超集積に関与することを突き止めた。NcNramp1は細胞膜に局在し、カドミウムに対して特異的に輸送活性を示した。また根の内皮細胞に局在していた。この遺伝子をシロイヌナズナに発現させると、カドミウム耐性が低下した。一方、イネのOsABCC1はヒ素の耐性と種子への分配に関与していることを突き止めた。OsABCC1は特に節の篩部伴細胞の液胞膜に局在して、この遺伝子を破壊すると、節でのヒ素の集積が減少し、種子のヒ素集積が大幅に増加した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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