研究課題/領域番号 |
24248021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
河岸 洋和 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (70183283)
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研究分担者 |
菅 敏幸 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10221904)
長井 薫 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (20340953)
平井 浩文 静岡大学, 農学部, 准教授 (70322138)
森田 達也 静岡大学, 農学部, 教授 (90332692)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | キノコ |
研究概要 |
研究代表者は,スギヒラタケによる急性脳症の発症機構に関する以下の仮説をもつ:「スギヒラタケ中の高分子2成分が複合体を形成することによってプロテアーゼ活性が現れ,そのプロテアーゼの作用によって血液脳関門が破壊される。そして,不安定性ゆえに単離はできなかったが合成化学的にこのキノコ中にその存在を証明した低分子毒プレウロサイベルアジリジンによってこの急性脳症に特有な脱随病変が惹起された」。また,この複合体のプロテアーゼ活性は全く基質特異性をもたないというこれまでに無い性質をもつ。この基質非特異性の発現機構も明らかにする。 2012年度は,前述した目的を達成するために,以下の研究を行った。 1)プレウロサイベルアジリジンは徐々に分解する。そこで様々な条件下(単独,B3共存下,PPL共存下,B3とPPL共存下,様々なpH下など)でのプレウロサイベルアジリジンの安定性と生じる分解物をNMRによって経時的に詳細に検討した。2)プレウロサイベルアジリジンを大量合成した。また。体内動態あるいは脳中の作用部位を知るために,蛍光プローブの合成を試みた。3)より生体に近い初代培養系を用い,プレウロサイベルアジリジンのオリゴデンドロサイト特異的毒性について確認を行った。4)次世代シークエンサーシステムを用いて,スギヒラタケのゲノムデータベースを一部構築した。5) 活性型recombinant PPL発現系の構築:レクチン活性及びB3との複合体形成によりプロテアーゼ活性を示すrPPL発現系の構築を行った。6) 2成分系あるいは3成分系での脳への影響の評価:BBBをin vitroで再現した市販のBBBキットによって,高分子2成分,あるいは高分子2成分と低分子毒の3成分系での作用を詳細に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全ての項目について所期の目的をほぼ達成している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の目的,方法で進めていく予定である。
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