研究課題
1. 天然物フラクションライブラリーの整備と拡充引き続き植物資源を用いてフラクションライブラリーを拡充した。風評被害により廃棄予定であった福島県産野菜に加え、カルビー(株)より提供されたじゃがいも及びその未利用部位よりライブラリーを作製した。植物はアルカロイドなどの塩基性化合物を含むので、抽出・分離方法を改良し再現性の良い作製条件を確立した。この方法で約1600フラクションを作製し様々な活性試験に供した。じゃがいも塊茎皮や花のフラクションがそれぞれ抗マラリア活性やがん細胞増殖抑制効果を示した。2. NPプロットデータベースの構築とそれを活用した新規生理活性物質の探索フラクションライブラリーの代謝産物情報をNPプロットに登録した。これを用いて化合物探索を行い、放線菌ライブラリーより新規環状オクタデプシペプチド、Octaminomycin AとBを単離した。これらはD体とL体の立体の異なる2つのロイシンを含む特徴的なペプチドであった。さらにその類縁体を見出し、物性情報から構造推定を行った。これらは抗マラリア活性を示した。3. 新規生理活性物質の探索と2-D DIGEデータベース(ChemProteoBase)の拡充Terpendole E生産株の変異体からNPプロットの照合により、より低濃度で作用する新規類縁体11-ketopaspalineを見いだしたので、その作用機作(分子標的)を解析した。薬剤の誘導する形態変化、タンパク質発現変動を指標にしたMorphoBaseとChemProteoBaseで解析したところ、11-ketopaspalineはTerpendole Eと同様にEg5が標的であることが示唆され、試験管内でEg5を阻害することが確認された。また、化合物NPD926をChemProteoBaseで解析したところ、ROS誘導化剤と似ていることから、NPD926がグルタチオンを標的とすることが明らかになった。これらのデータをChemProteoBaseに登録した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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