研究課題
Callitris columellaris複合種は4~5個の系統から構成され、オーストラリア大陸全域に広域分布する。その多様化の過程で、気温・降水量などの気候ニッチを拡大に伴う生態的適応や種分化に関係する遺伝的背景を検証するため、RNA-seq に基づく候補遺伝子解析を行った。RNA-seq は各系統を代表する 7 個体を対象に行い、系統内で dN/dS<1 かつ系統間で dN/dS>1、dN と dS の差が有意に大きい 72 遺伝子を候補遺伝子として定義した。これらの遺伝子について、大陸中から採取した 96 サンプルを対象に次世代シークエンサーを用いてリシークエンスを行い、SNP データを得た。これらの候補遺伝子における SNP の遺伝的分化と、RAD-seq 由来のゲノムワイド SNP における遺伝的分化を比較することで、豪州ヒノキ複合種の適応と種分化に関わる遺伝的背景を解析した。また、裸子植物に特徴的な半数体胚乳組織DNAを活用して連鎖地図を構築した。1本の母樹とそれに由来する74個の種子胚乳からDNAを抽出しRAD-seq解析することで、873 SNPが染色体数と同数の連鎖群に乗る高密度連鎖地図を、従来の交配家系を用いた手法に比べてきわめて短期間、低コストで簡便に得ることができた。本研究で構築した連鎖地図はCallitris種群の系統解析や適応進化解析の基盤情報として活用できる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Forest Research
巻: 19 ページ: 244-248
10.1007/s10310-012-0384-8