研究課題
26年度研究では,ゼブラフィッシュはコントラスト差がある横縞模様に対して顕著な逃避行動を示すことが明らかとなった.マダイの炎症・免疫応答系遺伝子がニジマスなどと共通することから,海産魚モデルとして有用であると考えられた.LC-MS/MSを用いたペプチドの網羅的解析法を用いて,ゼブラフィッシュにおける定常的タンパク質分解はオートファジーおよびアポトーシスによるものであり,そのターゲットタンパク質は解糖系酵素や筋形質タンパク質が主であった.ニジマス,ギンザケに対して絶食ストレスを付与したところ,ペプチドーム解析でゼブラフィッシュと同様に絶食ストレスによって,解糖系酵素群が著しく分解されることが明らかとなった.絶食によるオートファジーと一部共通するタンパク質分解機構が視覚介在ストレスにおいても誘導される可能性が示唆された.魚類の生体防御機構に及ぼすストレスの影響および作用機序を解明するため、飼育密度ストレスおよび飼育水温ストレスに着目し解析を行った.トラフグおよびヒラメを低密度および高密度で飼育し,定量PCR法による遺伝子発現解析を行った.いずれの魚種も高密度で飼育した区の脳で熱ショックタンパク質遺伝子のmRNA量が高くなった.トラフグでは、高密度飼育区の個体の脾臓におけるCD4,CD8,IgMおよびTGF-β遺伝子のmRNA量が低くなった.一方,ヒラメでは,免疫関連遺伝子群のmRNA量に差はみられなかった.さらに,ヒラメを用いて免疫関連遺伝子群の発現動態に及ぼす水温の影響を解析した.魚病細菌のホルマリン不活化菌体を投与し,マイクロアレイ法を用いて脾臓における網羅的な遺伝子発現解析を行った.15°Cで飼育した区においていくつかのインターフェロン(IFN)γ応答遺伝子の発現誘導がみられなかった.したがって,飼育水温の低下はIFNγの情報伝達に影響を及ぼすことが示された.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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