研究課題
本年度は,更生管の軸方向挙動を解明するため,大規模な振動実験を実施した.飽和地盤中に模型管を埋設し,2Hz,500galの正弦波を管軸直角水平方向に与えた.供試管の応答加速度,曲げひずみ計測結果から,長尺管路の地震時変形挙動ならびに既設管継手部による更生管に対する影響を考察した.得られた結果は以下の通りである.(1) 管路の形状として,先端変位形状と中央変位形状の2種類のモードが発生することが明らかとなった.(2) 前者の変形モードでは,構造物際である固定端付近に曲げが卓越し,後者では管路中央部で曲げひずみが発達する.(3) 既設管の継手数に応じて,更生管に作用する応力集中の程度は大きく変化する.継手数が少ないほど,曲げ変形はより継手部に拘束され,更生管の曲げひずみが卓越する.(4) 剛性の小さいPE管の方が加振時の変形量は大きい傾向にある.(5) PE管において,経時による変形および曲げひずみの蓄積が見られた.これは材質によるものと考えられる.振動台実験では,模型の構造上,管の変位量に対する更生管発生ひずみの関係が明らかになっていない.そこで,FEM解析を用いて模型管を三次元モデルで模擬し,強制変位によって上記2つの変形モードを再現した.得られた結果は以下の通りである.(1) 管路先端に強制変位を与えたとき,曲げひずみは固定端に向かって線形的に増加した.一方,管路中央に強制変位を与えたとき,中央部に曲げひずみが卓越し,また固定端にも同等の曲げひずみが発生した.(2) 管路の変位量と更生管に生じる曲げひずみは線形関係にあることが分かった.(3) 変位量と曲げひずみの傾きに対して単独管時との比を取ることで,既設管による更生管のひずみの増加を係数化することができた.以上の通り,既設管継手による更生管への影響が明らかとなり,内挿管の曲げ剛性だけで曲げに対する強度を評価することは不十分であることが分かった.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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農業農村工学会論文集
巻: 291 ページ: 25-31
巻: 292 ページ: 231-239
Proceedings of the International Conference, Pipelines 2014,ASCE
巻: CD ページ: 1040-1048
Proceedings of the 24th International Conference of the International Society of Offshore and Polar Engineering
巻: CD ページ: 709-714