研究課題
産業動物の化学物質汚染は食の安全に直結する重要な問題でもあるが、化学物質の感受性の種差や個体差に関する研究は極めて少なく、これがケミカルハザードを引き起こす大きな原因の一つとなっている。本研究では、産業動物が有する化学物質に対する生体防御能力について、以下を明らかにした。なお、試料については予定通り、国内およびアフリカ諸国からのサンプルを分析に用いた。多様な動物種を補完するために、一部タイなどアジア地域からの試料についても解析を行った。1)反芻類を中心として、産業動物に蓄積する環境化学物質の解析した。特に、残留性有機汚染物質、多感芳香族類、農薬、重金属類について、反芻獣を中心蓄積する汚染物質の分析を行い、どのような化学物質に暴露されているのか明らかにした。また、蓄積部位の特徴について解析した。反芻中の尿からは農薬や多環芳香族類が検出され、日常的にこれらの化学物質に暴露されていることが明らかとなった。また、舌など可食部位にも鉛をはじめとする金属類が蓄積していた。2)産業動物として哺乳類と、ニワトリやウズラ、ダチョウなど家禽類における化学物質の代謝酵素類の発現と化学物質の代謝の特徴について明らかにした。哺乳類では、ブタ、ウシ、ウマなどについて、ピレンをモデル化化合物としてその代謝能を分析した。鳥類では、ピレンのほか、多数の水酸化部位を持つワルファリンをモデル化合物として、その代謝能を明らかにした。また、ニワトリおよびダチョウについて、発現するシトクロムP450や第II相抱合酵素を網羅的に解析し、鳥類と哺乳類の種差について明らかにした。3)反芻獣に多く蓄積するカロテノイドが薬物代謝酵素の発現や活性に及ぼす影響について調べた。カロテノイドが汚染物質による薬物代謝酵素群の発現誘導を一部抑制することを明らかにした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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