研究課題
福島第一原子力発電所周辺の農産物、動植物、土壌の放射能を継続して測定することにより、濃度が高くなりやすい食品の特徴をあきらかにすることができ、住民の被曝低減に役立てることができた。当該原発港湾口付近と東京湾の海水、海底堆積物の放射性物質を測定した。原発港湾口では堆積物の汚染が続いている。東京湾は、河口の汽水域で依然高濃度の海底堆積が続いており、汚染が湾内を徐々に南下している傾向を示した。蘚苔類の放射性セシウムの汚染は4年以上たってもほとんど変化なく、関東から東北地方太平洋側のほぼ全域で高濃度で、長崎などの遠隔地でも微量ながら検出が続いている。長崎のエアロゾルからは2015年にも時々放射性セシウムが検出され、検出時の多くは大気が朝鮮半島などの陸域から流れてきており、海塩由来と考えられるナトリウムが低濃度である。一旦地表に降下した放射性セシウムが再浮遊して飛来していることを示唆している。遠隔地で採集した蘚苔類において、周囲より高濃度のセシウム137が検出されるがセシウム134の濃度が相対的に低い地域があった。これは1960年ごろの核実験が起源であるとすれば、物理的半減期だけで計算しても1960年で400 Bq/kg にもなるレベルである。二本松市のホールボディカウンタの改修に伴い分析プログラムを新たに開発した。分析には最尤法によるピークフィッティングを用いた。測定値が安定し、検出感度を汚染米を用いたファントムを作成して校正したところ、放医研のBOMABファントムの測定では、セシウム137の測定値を5%以内の高精度でファントムの放射能と一致させることができた。高精度化によって、住民の体内汚染の把握が進むと期待される。体内放射性セシウム濃度は、暖房に用いる薪も関係していることが見出されている。二本松、いわき、原発周辺の線量率の地理的分布を測定して汚染マップ作りを継続している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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