研究課題
基盤研究(A)
福島第一原発事故によって当初もたらされた放射能汚染の地理的な分布は核種ごとに違いがあるため、減衰して不明となった放射性ヨウ素濃度等の推測は難しい。原発前の海の調査では、2013年9月時点でも放射能が大量に漏出していることがわかった。放射性降下物は状況に応じて様々なものに濃縮されて現れ、川の上流から下流に流れ下り、遠く離れた地点で、高濃度になったりする。東京湾では河口付近の海底で高濃度の汚染があるが、今後、湾の中央や南部に広がっていくものと推定される。事故由来放射能はコケから全国で検出され、長崎の大気浮遊物から検出され続けており、陸域からの再浮遊と推定される。住民の被ばく管理は当分必要である。
放射線生物物理学