研究課題
1)シゾン葉緑体ゲノム転写におけるシグマ因子の特異性に関して、SIG4がycf17 (一回膜貫通型クロロフィル結合タンパク質)およびpsbA遺伝子の転写を直接活性化することを示し、SIG1:リボゾームRNA遺伝子、SIG2:フィコビリゾーム遺伝子、と併せ特定遺伝子の活性化に関わるシグマ因子特異性の全貌を明らかにした。SIG3は広く恒常的な転写活性化に対応すると考えられることから、シグマ因子による葉緑体転写制御の全体像を示すことに成功した(Fujii et al., 2015)。2)SIG2タンパク質の安定性が活性酸素種を介したRedox制御を受け、葉緑体フィコビリゾーム遺伝子発現を葉緑体自律的に制御する仕組みを明らかにした。3)Tiling arrayを用いることでシゾンの20染色体上にCENP-A結合領域を同定し、それぞれ一カ所のRegional-typeのセントロメアを同定した(Kanesaki et al., 2015)。4)シゾンが塩ストレスを受けた際に葉緑体で合成されるアブシジン酸(ABA)は、細胞周期をG1期に停止させる効果をもつ。細胞周期がG1/S期のチェックポイントを通過するには、葉緑体機能が正常であることを示すMgProtoがシグナルとして必要であり、このMgProtoシグナルの放出には葉緑体DNA合成が必要であることが判明している。葉緑体DNA合成には葉緑体明反応の活性化に加え、ミトコンドリア由来のヘムシグナルが必須であるが、ABA存在下で発現誘導されるTSPO(ヘムスカベンジャータンパク質)により細胞内のヘムシグナルがクエンチされることで、ABAによる細胞周期停止が起こることを明らかにした。ABAによるTSPO遺伝子の発現誘導について、高等植物と同様にPP2C/SnRK2によるシグナル伝達系が関与しているかどうか現在検証を行っている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 3件)
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