研究課題
TRPM2チャネルの炎症性病態を亢進する役割の解明において、急性炎症に関与するM1マクロファージと癌関連のマクロファージTAMに関連するM2マクロファージとの間の出現バランスの決定に、TRPM2チャネルとSTAT3の間のタンパク質間相互作用が重要であることが、TRPM2 チャネルノックアウトマウスの解析により明らかになってきた。さらに、血管成熟に寄与するPericyteの管腔形成安定化において、マクロファージのTRPM2チャネル(が発現誘導するPDGF等の液性因子)の役割が明らかになり、TAMの果たす血管新生における役割の検討を進めることができた(現在論文作成中)。また、TRPM2チャネルはbetaアミロイドによる神経変性の過程にも重要であることが明らかとなった。さらに、肺胞におけるBleomycin誘導性の急性炎症にもTRPM2チャネルが強く関与することを示した。一方、ヒト肝実質細胞におけるアセトアミノフェン誘導性の細胞死にはTRPV1チャネル及びTRPC1チャネルを介したCa2+流入が最も重要な貢献を担うことも明らかにした。TRPM7チャネルに関しては、条件的ノックアウトマウスが完成し、Tamxifen誘導性のCreマウスとのかけ合わせにより、培養系及び全身性における誘導性TRPM7チャネルノックアウトマウスを用いた上記M1/M2バランスへのTRPM7チャネルの寄与を明らかにする実験が可能になった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 3件)
Biochem. J.
巻: 473 ページ: 201-210
doi: 10.1042/BJ20150596
Mol. Pharmacol.
巻: 89 ページ: 348-363
doi: 10.1124/mol.115.102863
Front. Pharmacol.
巻: 7 ページ: 19
doi: 10.3389/fphar.2016.00019
J. Neurosci.
巻: 35, ページ: 15157-15169
doi: 10.1523/JNEUROSCI.4081-14.2015
Free Radic. Biol. Med.
巻: 90 ページ: 101-113
doi: 10.1016/j.freeradbiomed.2015.11.021.