本研究では医薬品の副作用を、その発現メカニズムに対するシステム的理解に立脚して予測する手法の構築を目指した。特に心筋細胞毒性に焦点を当て、心筋細胞に発現するアポトーシス関連分子およびその上流シグナル伝達経路に関連する分子を組み込んだ分子間ネットワークモデルを構築した。さらに、細胞生存の特徴を考慮して設定した拘束条件を満たすように、パラメータの可動域を探索する手法を新たに構築して解析を行ったところ、心筋細胞に対する毒性発現を良好に予測出来ることが示され、従来の静的ネットワーク解析よりも、目的に応じた解析が可能なことが示された。
|