研究課題/領域番号 |
24249036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安東 由喜雄 熊本大学, 生命科学研究部(医), 教授 (20253742)
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研究分担者 |
大林 光念 熊本大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90361899)
城野 博史 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (40515483)
山下 太郎 熊本大学, 生命科学研究部(医), 講師 (90381003)
山下 賢 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (20457592)
神力 悟 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00583048)
田崎 雅義 熊本大学, 生命科学研究部(保), 助教 (50613402)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アミロイドーシス / マススペクトロメトリー / トランスサイレチン / 家族性アミロイドポリニューロパチー / ALアミロイドーシス / 遺伝子変異 / レーザーマイクロダイセクション / アミロイド原因蛋白質 |
研究概要 |
LC-MS/MSを用いた解析法が、アミロイド原因蛋白質の同定法として有用であるか検証するために、後ろ向きおよび前向き解析を実施した。 ①本解析法でアミロイド原因蛋白質を同定できるか検証するために、すでに診断がついている各種アミロイドーシス(AL(κ,λ)、AA、SSA、FAP、DRA)患者25例のホルマリン固定組織(心臓、神経など)を解析した。その結果、本解析法と臨床診断の一致率は、97%で、非常に高い一致率を示した。解析結果から、本法は、様々なタイプのアミロイドーシス患者からアミロイド原因蛋白質を同定できることが明らかとなった。さらに、解析に用いたアミロイド沈着組織は、心臓、神経、舌など様々であったが、いずれの臓器からでもアミロイド原因蛋白質の検出は可能であった。 ②前向き解析として、病型診断に至っていないアミロイドーシス患者21例の組織を解析した。解析の結果、本法と臨床診断との一致率は95%であった。本解析例には、原因蛋白質が不明であった角膜アミロイドーシス、1例や従来法の免疫染色ではアミロイド原因蛋白質を同定できなかったALアミロイドーシス、3例、アミロイド沈着量が極わずかであったFAP、1例が含まれており、本解析法の有用性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LC-MS/MSを用いた解析法が、アミロイド原因蛋白質の同定法として有用であることがほぼ証明できた。今後はさらにLC-MS/MSの解析技術の向上を図るとともに、解析ソフトの充実を図る。またさらに依頼が多数来ている未知のアミロイドーシス解析を行い、診断をつけ、世界に情報発信する。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果を、本年行われる、世界家族性アミロイドーシス学会(リオデジャネイロ)や国内の検査医学、神経関係の学会で発表する。また上記のように今後はさらにLC-MS/MSの解析技術の向上を図るとともに、解析ソフトの充実を図り2年目のプロジェクトに備える。
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