研究課題
遺伝子診断、質量分析装置、組織診断法などを駆使した新たな迅速にして確実なアミロイドーシス診断法を確立して、これまで同定できなかったアミロイドーシスの診断、病態解析を行うとともにアミロイドーシス診療体制構築事業を作り、本邦のアミロイドーシスの診断・病態解析に大いに貢献した。主な成果は以下のとおりである。①高齢者の腸管の血管周囲にアミロイド沈着をきたし消化管出血の原因となりうる原因不明のアミロイドーシスの原因タンパク質がFibrin3であることを、レーザーマイクロ・ダイセクションとLC/ MS MSを組み合わせた方法で、新たに同定した。また本タンパク質は脳のアミロイド小体の主要構成タンパク質であることも明らかにした。②膝組織に沈着したアミロイドの約60%がTTRおよびApoAIであることが判明したが、40%は現在のところ原因不明で、現在なお上記方法で原因タンパク質の解析を行っている。③熊本県との共同作業で、「アミロイドーシス診断構築事業」を立ち上げたところ、3年間で1050例の各種アミロイドーシスの診断依頼を受けた。解析の結果、AL アミロイドーシスが4割を占め、トランスサイレチン(TTR)が原因となる老人性全身性アミロイドーシスおよびFAPは約3割を占めた。患者サンプルの遺伝学的解析により、世界初の遺伝子変異2例、国内初の遺伝子変異5例が明らかになり論文報告を行った。④FAPのモデル動物で現在組織にアミロイド沈着をきたすものはなかったが、TTR81-127のフラグメントを細胞に発現させると、細胞外にアミロイド沈着をきたすことが新たに明らかになった。現在、本フラグメントを発現させたtransgenic miceを作成中である。また、上記細胞による実験系を用いて、抗体治療や様々なアミロイド形成阻止が可能と考えられる低分子化合物のアミロイド阻害効果を検討中である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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