研究課題/領域番号 |
24249041
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
押谷 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80419994)
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研究分担者 |
鈴木 陽 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20443989)
神垣 太郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80451524)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ウイルス / インフルエンザ / 疫学 / アジア |
研究概要 |
フィリピンにおいては2009年から2011年までの間にルソン島北部のバギオ市で行われたインフルエンザサーベイランスのデータの解析からインフルエンザの疾病負荷・インフルエンザの季節性などについて明らかにし、論文を発表した(Influenza Other Respir Viruses. 2014 Mar;8(2):159-68)。また2009年に発生したインフルエンザA(H1N1)pdm09についても、バギオ市におけるトランスミッションダイナミックを含めた疫学解析を行い、これについても論文を発表することができた(PLoS One. 2013 Nov 11;8(11):e79916)。またフィリピン中部のタクロバン市とその周辺で行っているインフルエンザサーベイランスについては、季節性やウイルスの進化過程を含めて解析を継続している。モンゴルではモンゴル国内全体から集められた、2007年から2012年のインフルエンザサーベイランスデータを解析し、インフルエンザのインパクトや季節性などが明らかになった。この結果については論文の投稿を完了した。また、ウランバートル市・バガノール地区およびドルノゴビ県・サインシャンド市では詳細なインフルエンザ伝播についての詳細な解析を行うべく2012-13年シーズンに続いて、2013-14年シーズンもコミュニティーでの疫学情報の収集を行った。特に2013-14年シーズンではバガノール地区では乳幼児と妊婦に焦点をあて、インフルエンザの伝播のパターンを解析している。日本の秋田県・大館市においても医師会の協力のもとに詳細なインフルエンザに関する疫学情報を継続して収集しており、データの解析も順調に行われている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたブルネイでの研究は諸事情により研究の実施を断念したが、残りの日本・モンゴル・フィリピンでは研究が順調に進行しており、多くのデータが得られ、その一部は論文として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、さらに疫学データを収集しそれぞれのサイトでのトランスミッションダイナミックスの解析を行うとともに、ウイルスの遺伝子解析も進めて、ウイルス進化の過程と疫学情報をマッチングさせてより詳細な解析を行っていく予定である。
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