本研究は、フェイトマッピングの手法を用いてミエロイド系列の細胞の生理的な分化経路を解明することを主目的とした。ミエロ-リンフォイド前駆細胞(Flt3陽性)をマークしようとしたFlt3-Creでは、全ての系列がマークされてしまい、Flt3-ERCreを用いる系では、マークされる率が低く、明確な結果はえられなかった。従って、当初の計画については期間内に達成できなかった。一方、関連する研究として金沢大学と共同で行ったヒト造血細胞のクローンを追跡する研究では、「個々の造血幹細胞は限られた系列の細胞しかつくらない」という重大な知見が得られた(Stem Cells, 2013)。
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