研究課題
①ヒト幹細胞由来表皮角化細胞の促進因子の検討:免疫不全NOGマウスを用いた異種移植系を用いて、角化細胞への促進因子(HMGB1、CTACK等)を添加したところ、通常の異種移植系と比較して創傷治癒の促進が観察され、donorのヒト基底膜蛋白の発現確認割合が増加した。また、患者団体の協力を得た上で、当該施設および全国の表皮水疱症患者45名より血清を採取し、ケモカイン解析を行ったところ、HMGB1およびCXCL12においては健常人と比較して有意に血清濃度が上昇しており、病型や重症度と相関していた。一方CCL21は患者の重症度と逆相関し、CCL27およびCCL19,28は明らかな相関を認めなかった。②治療対象患者の条件策定および新規診断確定手技の確立:名古屋大学小児科、名古屋大学皮膚科と共同し、表皮水疱症患者に対する幹細胞移植療法の自主臨床試験を名古屋大学病院倫理審査委員会に提出した。治療対象となり得る患者の条件を規定し、新規診断手法および未知なる表皮水疱症の発症機序を探索した。当該施設に通院する若干名の患者に対して、診断確定、および罹患範囲・合併症を検討しエントリーの適応を評価したが、現時点で該当する患者は存在しなかった。③iPS細胞由来造血幹細胞を用いた表皮水疱症の治療:17型コラーゲンヒト化マウスを移植対象とし、マウスiPS細胞由来血球系前駆細胞を移植したところ、移植後200日の時点で生存率は約50%となり、未治療群と比較して生存予後の改善傾向がみられた。移植後の上皮化皮膚においては、RT-PCRにて2匹にわずかなマウス17型コラーゲンmRNAの発現が確認されたが、現時点で明瞭なマウス17型コラーゲンの発現を免疫蛍光抗体法で確認されなかった。また,電子顕微鏡においてヘミデスモソームの成熟化も確認できなかった.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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British Journal of Dermatology
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