研究課題
本研究は「麻酔は何故効くか」について、すべての麻酔薬に共通する作用メカニズムを解明するために、この研究領域ではこれまで着目されてこなかったグリア細胞に焦点を当てて、マクロとミクロのレベルでの麻酔薬の作用を明らかにすることを目的とする。そのために、グリア細胞の機能低下をどのように示すかの検討を詳細に行い、まず、AcetatePETの解析を進めた。その結果、アセテートの洗い出し曲線を用いた解析において、比較的浅い麻酔であるセボフルレン1.5%と深麻酔である4.0%セボフルレンの間に有意なグリア細胞の機能低下を認めた(p<0.05)。さらに、FDG-PETにおいても同様にグルコース代謝の低下を認め、従来の知見、人における知見との一致をみた。さらに、部位ごとの解析を進めていくにあたり、検討した結果、現在の個体数では有意な変化を得られにくいとの結論に達し、さらに8週令のSDラットを用いて、各群5匹ずつAcetatePETの撮像を行った。撮像が3月半ばまでかかったため、解析はこれから進める予定である。さらに、MRIにおける機能的脳結合の解析についての検討を行った。動物で高解像MRIで機能的な脳結合を明らかにすることは非常に困難であるが、そのネットワーク形態変化を明らかにすることを目標とすると同時に、特定部位を中心とした解析方法の可能性の検討を行い、撮像方法論の候補を挙げることが出来た。次年度の実際の撮像に向けて詳細の検討を終了することが出来た。
2: おおむね順調に進展している
本年度Acetate-PETの結果の解析により、麻酔深度が深くなるにつれてグリア細胞の機能が低下していることが明らかとなり、全脳レベルでのグリア細胞の機能低下という、第一段階の証拠をつかむことが出来たため。
本年度取得したデータを加えて、脳を標準画像に変換し、各部位ごとのグリア細胞の機能変化を明らかにする。さらに、本年度はMRIで機能的ネットワークの変化を同定できる実験系を立ち上げ、特にグリア細胞の活動の低下した部位と他の重要な領域の機能的ネットワークの変化を明らかにすることを目指していく。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (25件) (うち査読あり 23件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (85件) (うち招待講演 2件) 産業財産権 (2件)
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