研究課題/領域番号 |
24249081
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岡本 美孝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40169157)
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研究分担者 |
櫻井 大樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10375636)
関 直彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345013)
本橋 新一郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60345022)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | NKT細胞 / 癌免疫療法 / 頭頸部癌 / 扁平上皮癌 / 悪性黒色腫 / 細胞障害性T細胞 / アジュバント療法 / 先進医療 |
研究概要 |
本研究は、頭頸部癌に対する有効なアジュバント療法を開発することを目的とする。このため、NKT細胞のリガンドであるα-galactocylceramide(αGalCer)パルス樹状細胞の鼻粘膜下投与による免疫療法に関して、①頭頸部扁平上皮癌に対する有効性の科学的証明、②本治療法の効果を高めるための細胞傷害性T細胞の活性化を併用した複合免疫療の検討、③扁平上皮癌以外の癌種に対する有効性の検討、④治療効果に対する抑制性細胞の影響の検討、を行う。標準治療後の進行期頭頸部扁平上皮癌に対するαGalCerパルス樹状細胞を用いたアジュバント療法の有効性に関する2群間ランダム化第II相試験については先進医療としての申請を進め、平成25年3月に認可公示された。さらに、下記に示す4つの臨床試験について計画し検討を進めた。 1)頭頸部扁平上皮癌に対するαGalCerパルス樹状細胞と活性化自己リンパ球を用いた複合免疫療法の安全性に関する第I相試験、2)炭素イオン線治療後の頭頸部粘膜悪性黒色腫に対するαGalCerパルス樹状細胞を用いたアジュバント療法の有効性に関する2群間ランダム化第II相試験、3)進行期頭頸部粘膜悪性黒色腫に対するαGalCerパルス樹状細胞と悪性黒色腫抗原ペプチドパルス樹状細胞を併用した複合免疫療法の安全性に関する第I相試験、4)唾液腺導管癌症例に対するαGalCerパルス樹状細胞を用いたアジュバント療法の安全性と有効性に関する第I/II相試験 1)~4)の試験は本年度全て試験について倫理審査を終え、登録ならびに治療が開始されている。また細胞免疫治療を実施した症例の抑制性細胞の検討から、制御性T細胞と免疫療法の臨床効果に有意な相関関係があることを見いだした。今後の臨床試験の展開の中でさらに検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「標準治療後の進行期頭頸部扁平上皮癌に対するαGalCerパルス樹状細胞を用いたアジュバント療法の有効性に関する2群間ランダム化第II相試験」が平成25年3月1日付けで先進医療B(旧高度医療)として認可された。さらに、当初より計画していた臨床試験に加え、新たに唾液腺癌や悪性黒色腫での臨床試験も立案し、既に倫理審査を終え臨床展開を進めている
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今後の研究の推進方策 |
それぞれの臨床試験に関し、適応患者のエントリーを順次行う。各試験において設定されている評価項目に加え、制御性T細胞やMDSCなどの抑制性細胞に関する検討も行う。全ての臨床試験を行っていく上で、患者の適格審査や登録・割付、細胞培養室のスケジュール調整、データマネージメント、統計解析など非常に煩雑な手続きが必要である。これらを効率良く行うために、千葉大学医学部附属病院臨床試験部や関係他科との連携を深め、より安全かつ科学的に臨床試験を進めていく必要がある。
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