研究課題
VCP阻害剤が網膜疾患に対し、保護剤としての新たな治療薬となりうるか、眼疾患動物モデルを使用し、その治療効果を検討した。まず、緑内障や網膜色素変性症モデル動物を用い、網膜神経節細胞や視細胞変性・神経線維層の菲薄化の過程を描出し、薬剤効果の評価系を確立した。ついで緑内障モデルマウス(NMDA硝子体内投与モデル、高眼圧モデルDBA/2J、正常眼圧モデルGLAST欠損マウス)、網膜色素変性症モデル(rd10,rd12マウス、網膜色素変性モデルウサギ)、網膜変性モデル(CCR2欠損マウス)にVCP阻害剤を投与し、それぞれ神経節細胞の変性脱落、神経線維層の菲薄化、あるいは視細胞の変性脱落が抑制されるか、組織学的および視機能の両面から評価した。またVCP阻害剤がどのような作用機序により網膜細胞保護効果を示すか明らかにした。以上より、幅広い網膜の疾患に対しての神経保護による新たな治療に発展させる基盤の形成を行った。1)黄斑変性モデルマウスCCR2欠損マウスでの網膜変性抑制効果の検討生後16ヶ月までに黄斑変性を発症するCCR2欠損マウスに対し、生後2カ月齢よりVCP阻害剤を内服投与し、生後6、10、14カ月齢にてOCT撮影、網膜電図測定、および眼底写真撮影を行い、網膜の変性度合いを評価、病態抑制効果を検証した。その結果、VCP阻害剤投与群では、ドルーゼン数の増加が抑制され、網膜電図上も、視機能減弱が抑制されることが明らかになった。2)VCP阻害剤の網膜神経節細胞に対する保護効果の作用機序の解明現在までに培養細胞を用いた予備実験にて、VCP阻害剤を加えた細胞では、ストレス時に細胞内ATP濃度が保たれている事が明らかになった。さらに、NMDA投与後12時間、24時間での網膜各群10眼を用い次世代シーケンスによる遺伝子発現プロファイル解析を実施、候補遺伝子が見つかりつつある。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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