研究課題/領域番号 |
24249093
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山城 隆 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70294428)
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研究分担者 |
川邉 紀章 岡山大学, 大学病院, 講師 (00397879)
村上 隆 岡山大学, 大学病院, 助教 (00534786)
上岡 寛 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80253219)
柳田 剛志 岡山大学, 大学病院, 助教 (90534793)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Runxシグナリング / Cbfb / 唾液腺 / 切歯 / 臼歯 |
研究概要 |
外胚葉異形成症は歯、毛髪、唾液腺、爪など様々な皮膚付属器官に症状が現れ、口唇・口蓋裂を併発することもある。このように臨床症状が多岐にわたる疾患であるが、その分子機構は未だ不明な点が多い。本研究は、Runx ファミリーがどのようにして上皮間葉相互作用を制御しているのかその詳細を検討すするものである。特に、マイクロアレイ等を用いて、歯、口蓋、唾液腺においてRunxシグナルの下流で働く遺伝子の網羅的な発現の解析を行う。 本年度は以下の成果が達成された。 1) 遺伝子改変動物:申請者は現時点で、上皮特異的Cbfb ホモ変異マウスを作製済みである。上皮特異的Runx1 ホモ変異マウスについては、Runx1 floxマウスを取得し、K14-Creマウスと交配させ, 上皮特異的Runx1は来年度6月ごろに観察ができる予定である。 2) 遺伝子改変動物の観察唾液腺に注目し、上皮特異的Cbfb ホモ変異における表下型を観察した。その結果、Cbfbが欠損すると、オスの唾液腺に特異的に見られる顆粒管がほとんど消失することを見出した。Runx/Cbfbがsexual dimorphismの形成に関与することを見出した点で非常に意義が高い。 3) マイクロアレイ解析: 上記の唾液腺におけるsexual dimorphismの形成にRunx/Cbfbシグナルがどのように関与するかを検討するために、顎下腺組織におけるマイクロアレイ解析を行った。そして、sexual dimorphismの形成に形成に関与する分子、ならびに、Runx/Cbfbシグナルの下流で働く分子をいくつか同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)遺伝子改変動物について、上皮特異的Cbfbホモ変異マウスは作成済みであったが、上皮特異的Runx1ホモ変異マウスの作成は今年度の課題であった。今年度に作製が終了しなかったものの、現在、このマウスの作成に向け交配を続けており、来年度に作製できる見込みである。 2)マイクロダイセクションについて、マイクロダイセクションを購入し、現在までに、組織切片を切り出し、mRNA抽出を行う方法を確立した。来年度において、ホモ変異マウスの切片において、微細組織の切り出しと、mRNA抽出を行宇予定である。 3)マイクロアレイ解析について、本年度は唾液腺のマイクロアレイを行った。そして、予定通り、Cbfbの下流で働く分子を同定した。
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今後の研究の推進方策 |
1)2013年度の夏ごろに上皮特異的Runx1マウスの解析が可能となる予定である。このマウスとCbfb変異マウスの双方のマウスを用いて、唾液腺、口蓋、切歯、臼歯における表現型の解析を継続する予定である。 2)特に、マイクロダイセクションを用いて、2013年度は、口蓋の癒合上皮部、切歯のサービカルループ部においてmRNAを単利し、マイクロアレイにてRunx1/Cbfbシグナルの下流で働く分子を同定する予定である。 3)微小mRNAサンプルのマイクロアレイは技術的に容易ではないものの、生化学分野の支援によって解決済みである。
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