研究課題/領域番号 |
24251017
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森田 敦郎 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20436596)
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研究分担者 |
木村 周平 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (10512246)
中川 理 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (30402986)
大村 敬一 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (40261250)
松村 圭一郎 立教大学, 社会学部, 准教授 (40402747)
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人類学 / 科学技術論 / インフラストラクチャー / 環境変動 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本年度は合計4回の研究会(国内での開催3回、海外での開催1回)を開催した。国内での研究会では、研究分担者と日本在住の研究協力者がメンバーとなり、それぞれの調査プロジェクトの構想および進捗状況を報告し、計3回で6名が発表を行った。さらに、海外、コペンハーゲンで開催した研究会では上記メンバーに加えてデンマーク在住の研究協力者4名が参加し、全員がそれぞれの調査の進捗状況を報告するとともに、今後の計画を議論した。これらの研究会をとおして、国内外の研究メンバー全員が互いの調査プロジェクトを詳細に理解することが出来た。このことによって、本プロジェクトは円滑なスタートを切ることができた。 さらに、10月のコペンハーゲンでの研究会と同時に同地で開催された国際学会Society for Social Studies of Scienceの年次大会において、Environmental Infrastructuresと題打った分科会を開催した。Open panel方式によって外部からの応募者にも公開される形で組織されたこの分科会には、本プロジェクトのメンバーだけでなく、アメリカ、カナダ、デンマーク、日本、イタリア、ドイツなどから合計で約20名が参加し、活発に議論を交わすした。多数の発表者と聴衆を集めたこの分科会をとおして、本プロジェクトは国際的な認知を確立することができた。 国際学会終了後には、これらの研究発表を取りまとめてプロジェクトの中間成果として出版すべく、国際ジャーナル上での特集号の準備を開始した。掲載ジャーナルの策定のために、12月から年度末にかけて交渉を行い、現在1誌と論文執筆予定者を交えた詳細な交渉を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度に掲げた目標は、本格的な調査開始のための準備を整えることだったが、4回の研究会の研究会をとおして、ほぼすべての個別プロジェクトで本格的な調査が開始されていることが確認された。さらに、その一部に関しては中間的な成果を論文として発表できる段階にあることが明らかになったため、それらをまとめて発表するための国際ジャーナルの特集号の企画を進めることになった。特集の企画は現在のところ順調に進んでいる。この特集号が、完成すれば、当初計画されていたプロジェクトの最終成果物である英文図書に加えて、もうひとつの英文出版物が成果に加わることになる。また、最終成果物の出版をめぐる海外大手出版社との交渉はすでに開始されており、一社から前向きな回答が得られている。こちらについては、デンマーク側のメンバーが現在詳細な条件についての交渉を続けている。 このように、調査に計画以上の進捗が見られること、計画になかった中間成果の出版準備が進んでいることから、当初計画以上の成果が見られると評価することが出来る。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は、特集執筆者が論文の執筆を進めるとともに、メンバーがそれぞれの調査を一層進める予定である。国内メンバーで4~5回の研究会を行うとともに、9月には海外の研究協力者も含めた全メンバーによる研究会を日本で開催する予定である。その場では、国際ジャーナルの特集のための論文草稿の検討を行う。年度後半には、電子メールなどによって草稿の検討をさらに進め、恐らく年度末になると思われる締め切りに向けて着実に論文を仕上げていく予定である。 上記の作業に加えて、2013年度には、2014年6月に日本で開催される国際人類学・民族学連合会議で行うシンポジウムもしくは分科会のための準備作業を行うことも予定している。シンポジウムでは、この分野で活躍する一線の研究者を招聘するほか、そこでの発表内容を最終成果物の原型とする予定である。
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