研究課題/領域番号 |
24251017
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森田 敦郎 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (20436596)
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研究分担者 |
木村 周平 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (10512246)
中川 理 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 准教授 (30402986)
大村 敬一 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (40261250)
松村 圭一郎 立教大学, 社会学部, 准教授 (40402747)
石井 美保 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40432059)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 環境変動 / インフラストラクチャー / 人類学 / 科学技術論 / 存在論 / 開発援助 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本年度は、各研究分担者、協力者がそれぞれの担当サブテーマに関するフィールド調査を本格的に開始した。これらの成果は、国内で開催された合計5回の研究会で発表され、比較検討された。 また、9月20日~22日にかけては、デンマークの研究協力者、Anders Blok、Casper JensenおよびLea Schickを招いた合同研究会、および国際シンポジウムとワークショップを開催した。合同研究会では、研究分担者および協力者が、中間成果報告のための国際ジャーナル投稿原稿を報告した。また、成果発表の方法、とくに国際出版の計画についても議論が行われた。 国際シンポジウムとワークショップでは、海外から3名のゲスト(Matei Candea, University of Cambridge; Natasha Myers, York University; Mei Zhan, UC Irvine)を招招聘した。ゲストは、それぞれ本プロジェクトに関連する研究成果を発表したほか、本プロジェクトの現時点での成果および研究方針に対するコメントを行った。 年度後半には、11月20日から24日にかけて開催されたアメリカ人類学会において分科会を組織した。また、会議開催期間中には、国際ジャーナルEthnosおよびSocial Analysisの編集者と会談し、それぞれのジャーナルでの特集号の設定について合意にいたった。 2月8日から16日にかけては、森田とJensenがマンチェスター大学を訪問し、同様にインフラストラクチャーに焦点を当てたプロジェクトを率いているPenny Harvey教授と会談し、同プロジェクト主催のワークショップにて研究発表を行った。Harvey教授とは成果の合同出版について合意し、Ethnos特集号の共同編集、Routledgeからの共同出版についての準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
年度開始時点では、本年度の活動として国際シンポジウムと中間成果のとりまとめが計画されていた。中間成果については、Science as Culture誌での特集号の企画が採択され、年度内に日本側の執筆メンバーは原稿を編者であるデンマークの研究協力者に提出した。査読のプロセスは来年度が予定されている。 一方、最終成果の出版準備については、年度当初の予定ではMITからの出版の交渉を進める計画であった。だが、その後、アメリカ人類学会におけるEthnosおよびSocial Analysis誌との交渉が迅速に進んだこと、マンチェスター大学のInfrastructure of Social Changeプロジェクトとの合同出版計画が合意されたことを受けて、予想外の大きな進展を見せた。後者の合同出版プロジェクトでは、"Companion Encyclopedia of Infrastructure"という仮題のもとに、社会科学におけるインフラストラクチャー研究を網羅した800ページ程度の論文集を出版することを目指し、現在、研究協力者のCasper Jensenコペンハーゲン情報技術大学準教授、Penny Harveyマンチェスター大学教授とともに出版企画の準備が進んでいる。 以上、三件の成果出版は、すべてアメリカ、イギリスなどからの執筆者を交えて企画されており、出版準備をとおして本プロジェクトの人的ネットワークは、さらに拡大することになった。この人的ネットワークは、さらなる成果出版の企画、および本プロジェクトの後継プロジェクトの検討にも大きく資することと思われる。 このように本年度、本プロジェクトでは、成果出版および国際ネットワークの構築のふたつの側面で計画を大幅に上回る進展が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、研究分担者/協力者による調査を継続するとともに、成果発表をさらに行ってゆく。 フィールド調査に関しては、各自が成果のとりまとめをにらんだ重点調査を行う。単なる事例研究の集積ではなく、「環境インフラストラクチャー」についての理論構築を行うためには、各自が担当する事例の相互比較をとおして理論的/経験的な議論を深める必要がある。そこで、フィールド調査においては、これまでの研究会および国際ワークショップ等での議論を踏まえて、各事例の間の概念的/経験的なレベルでの関係を明確化することにとくに注意を払う。 一方、成果発表については、まずすでに原稿が編者に提出されているScience as Culture誌での特集(中間成果発表)の査読を可能な限り年度内に終了させることを目指す。 最終成果の出版については、次のような準備を行う。EthnosおよびSocial Analysisでの特集については、原稿を年度内に取りまとめ、査読プロセスをスタートさせる。Harvey教授との合同出版では、"Companion Encyclopedia of Infrastructure"という仮題のもとに、社会科学におけるインフラストラクチャー研究を網羅した800ページ程度の論文集を出版することが計画されている。2014年度には、企画書、序文草稿の執筆、著者候補者へのコンタクト、出版社との出版条件の交渉などを行い本書の企画内容を最終的に確定させることを目指す。 成果発表の場を準備するのと並行して、各研究分担者/協力者は各自、最終成果となる英文論文を最低一本以上執筆する。
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