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2012 年度 実績報告書

動物殺しの比較民族誌研究

研究課題

研究課題/領域番号 24251019
応募区分海外学術
研究機関桜美林大学

研究代表者

奥野 克巳  桜美林大学, 人文学系, 教授 (50311246)

研究分担者 シン ジルト  熊本大学, 文学部, 准教授 (00361858)
西本 太  総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (60442539)
山口 未花子  東北大学, 東北アジア研究センター, 教育支援者 (60507151)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード動物殺し / 人類学 / 現地調査 / 狩猟 / 屠畜
研究概要

6月23日に広島大学で研究打ち合わせを行った。12月26日~29日には、地球総合環境学研究所で研究集会を開き、美山町でシカの解体を見学した。
また、メンバーは、各々の海外研究対象地で準備的調査を行った(一部、国内での研究)。奥野克巳はマレーシア・サラワク州のブラガ川上流域でプナン人の狩猟に関する調査を実施し、池田光穂とスザン・アディカリと共にネパールで動物の屠畜をめぐる調査を行った。シンジルトは中国内モンゴル自治区東部の温帯草原・フルンボイルおよびチベット高原の寒冷草原・青海省河南モンゴル族自治県などで建設されている有機牧畜業関連の研究・生産・加工施設において実地調査を行った。西本太はラオス・セポン郡で現地住民によるカニクイザルの捕獲と飼育、販売に関する聞き取りを行い、捕獲される野生動物のインベントリを作成した。山口未花子はカナダ・ユーコン準州で、狩猟および動物資源利用をめぐる調査を実施した。
花渕馨也はコモロ諸島・グランドコモロ島における牛、山羊、テンレックの屠殺についての映像記録と分析を行い、フランスおよびEU圏におけるイスラーム式屠殺に対する批判的言説について情報を収集した。島田将喜はタンザニア・マハレ山塊国立公園で過去に行ったフィールドワークによって得られたデータから野生チンパンジーによる動物殺しをまとめ、チンパンジーの狩猟行動に関する研究動向を整理した。中野麻衣子はバリで調査を行った。大石高典はカメルーン・東部州で、跳ね罠猟における殺法の個人差や動物殺しの禁忌について調査を実施した。吉田匡興はパプアニューギニア・モロベ州においてアンガティーヤ人の狩猟の技法を調査するとともに、子どもたちが狩猟に親しんでいく過程の一端を、肉食をめぐって子どもたちが示す情動のなかに観察した。近藤祉秋は米国アラスカ州クスコクイン川上流域において、水鳥猟などの生業に関する調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2回の研究打ち合わせと研究集会において、主題に関わる議論をつうじて、研究の方向づけを行い、とりわけ、研究代表者・研究分担者の主導により研究を組織する体制を整えることができたため。

今後の研究の推進方策

2013年度は、「動物殺し」という主題に対して、「表象」、「生態」、「生業・経済」という3つの側面から、重要文献を10冊(本)前後ピックアップした上で、研究メンバーが、年4回予定している研究集会において、それらの読解と議論を行うことをつうじて、科研グループ全体の研究と議論の下地をつくることを大きな目標として掲げる。
研究メンバーは、研究集会に参加し、議論と研究の土台を共有することと並行して、海外・国内での現地調査研究を実施することで、主題に関して、実りの多い成果を得られるべく努める。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 伸縮する遠近:モンゴル=キルギス人の現在2013

    • 著者名/発表者名
      シンジルト
    • 雑誌名

      『共在の論理と倫理:家族・民・まなざしの人類学』

      巻: なし ページ: 247-270

  • [雑誌論文] 放送大学放送教材の素材映像アーカイブ化―特別講義『HUMAN : 人間・その起源を探る』ラッシュ映像のアーカイブ化をもとに―2013

    • 著者名/発表者名
      大石高典、山下俊介、内堀基光
    • 雑誌名

      『放送大学研究年報』

      巻: 30 ページ: 63-75

  • [雑誌論文] 告げ口をするブタオザル:ボルネオ島プナン社会における動物アニミズム2012

    • 著者名/発表者名
      奥野克巳
    • 雑誌名

      『人と動物の人類学』

      巻: なし ページ: 29-60

  • [雑誌論文] 動物と話す人々2012

    • 著者名/発表者名
      山口未花子
    • 雑誌名

      『人と動物の人類学』

      巻: なし ページ: 4-28

  • [雑誌論文] 狩猟採集民バカの日常生活におけるたばこと酒―カメルーン南東部における貨幣経済の浸透にともなう外来嗜好品の流入―2012

    • 著者名/発表者名
      林耕次、大石高典
    • 雑誌名

      『人間文化: Humanities and Sciences』

      巻: 30 ページ: 29-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 【人間ゴリラ】と【ゴリラ人間】―アフリカ熱帯林における人間=動物関係と人間集団間関係の混淆―2012

    • 著者名/発表者名
      大石高典
    • 雑誌名

      『人と動物の人類学』

      巻: なし ページ: 93-129.

  • [雑誌論文] 隠岐島のばける蛇:または森羅万象に口を割らせること2012

    • 著者名/発表者名
      近藤祉秋
    • 雑誌名

      『人と動物の人類学』

      巻: なし ページ: 178-203

  • [学会発表] 森との交感の民族誌 ―プナンにおける人と自然

    • 著者名/発表者名
      奥野克巳
    • 学会等名
      日本文化人類学会第46回研究大会
    • 発表場所
      広島大学
  • [学会発表] 語りだす遺体 ―カナダ先住民の動物利用に関する展示を通した成果の還元と研究上の意義

    • 著者名/発表者名
      山口未花子
    • 学会等名
      日本文化人類学会第46回研究大会
    • 発表場所
      広島大学
  • [学会発表] Microhabitats in tropical mixed evergreen forest recognized by Baka hunter-gatherers of southeastern Cameroon: Folk concepts of vegetation change in comparison to modern ecological term of 'succession'.

    • 著者名/発表者名
      OISHI Takanori and Evariste FONGNZOSSIE
    • 学会等名
      The 13th Congress of the International Society for Ethnobiology
    • 発表場所
      フランスモンペリエ市国際会議場Le Corum
  • [学会発表] カメルーン東南部の狩猟採集民バカにおける社会文化変容―経済的不平等の発生と呪術/邪術に関わる言説空間の変化―

    • 著者名/発表者名
      大石高典
    • 学会等名
      日本文化人類学会第46回研究大会
    • 発表場所
      広島大学
  • [学会発表] アフリカ熱帯雨林における淡水魚の認知と利用-市場価値と生き物文化の関係をめぐる一考察

    • 著者名/発表者名
      大石高典
    • 学会等名
      生き物文化誌学会第10回学術大会講演
    • 発表場所
      福岡リーセントホテル
  • [学会発表] 中部アフリカ都市住民の動物性タンパク質源確保と都市=漁村関係:コンゴ共和国におけるコンゴ川産淡水魚の流通・消費を事例に

    • 著者名/発表者名
      大石高典
    • 学会等名
      生態人類学会第18回研究大会
    • 発表場所
      月ヶ谷温泉・月の宿
  • [図書] 人と動物の人類学2012

    • 著者名/発表者名
      奥野克巳、山口未花子、近藤祉秋編
    • 総ページ数
      363
    • 出版者
      春風社

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公開日: 2014-07-24  

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