研究課題/領域番号 |
24253004
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
住 貴宏 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30432214)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 系外惑星 / 重力マイクロレンズ |
研究概要 |
本研究は、我々Microlensing Observations in Astrophysics (MOA)グループが行っている重力マイクロレンズ による系外惑星探査を5 年間継続する事によって、主星の周りを回らない「浮遊惑星」を約4 0 個発見し、その 存在量、質量分布を見積もる。さらに初めて増光中に色を観測する事でイベント検出の信頼性を増す。これら 浮 遊惑星は、星の周りで形成された後に、他の惑星や星との重力的相互作用で軌道から弾き飛ばれてできたと 考え られている。一方、従来の観測で見つかっている系外惑星は、全て星の周りを回っており軌道に残った惑 星であ る。従って、本研究で浮遊惑星の存在量を正確に見積もる事で、元々惑星系でどれだけの惑星が形成さ れて、そ の後どのように進化したかを初めて見積もる事ができ、この情報をもとに惑星の形成過程の解明をす る。昨年度は、順調に観測を遂行し、合計680個のマイクロレンズイベントを検出し、その内7-8個はイベントタイムスケールが2日以下の非常に短いイベントだった。これらは、本研究が目指す浮遊惑星の可能性が高く、これらのイベントを順調に検出できるている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、我々Microlensing Observations in Astrophysics (MOA)グループが行っている重力マイクロレンズ による系外惑星探査を5 年間継続する事によって、主星の周りを回らない「浮遊惑星」を約4 0 個発見し、その存在量、質量分布を見積もる。本研究で浮遊惑星の存在量を正確に見積もる事で、元々惑星系でどれだけの惑星が形成さ れて、そ の後どのように進化したかを初めて見積もる事ができ、この情報をもとに惑星の形成過程の解明をする。昨年度は、銀河系バルジが観測可能な2月から11月に、日本のメンバーがNZに行き 、1.8m望遠鏡で22領域(50平方度)を観測し、合計680個のマイクロレンズイベントを検出し、その内7-8個はイベントタイムスケールが2日以下の非常に短いイベントだった。これは、それ以前に検出されていた数と同程度で、順調に統計をためる事ができている。また、計画通りにニュージーランドで現地観 測員 を雇用して、M t . J o h n 天文台にある6 1 c m 望遠鏡で浮遊惑星イベントの追観測を行う事でできた。さらに、過去のデータ解析を進める事でより多くの浮遊惑星を検出さる作業も順調に進んでおり、全体的に概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、計画通りに、銀河系バルジが観測可能な2月から11月に、日本のメンバー(申請者、連携研究者、大学院生約7人)がNZに行き 、1.8m望遠鏡で22領域(50平方度)を観測する。まず、各領域をマイクロレンズのイベントレートが高い順に4グ ループに分け、イベントレートの高い最優先の6領域(全イベントの55%)は15分に1回と言う超高頻度で観測して 、次の6領域(同25%)は46分に1回、次の8領域は95分に1回観測をする。取得された画像を、Difference Image An alys (DIA)で解析し、マイクロレンズイベントをリアルタイムで検出する。発見したイベントのアラートを世 界中に発し、他のグループが追観測をする。これは、これまでも行われてきた戦略だが、他国の望遠鏡での追観 測なので早くても数時間以上のタイムラグがある。さらに新しい、タイムスケールの短いイベントを検出する の は、主星による長い増光中に短い惑星シグナルを見付けるより誤検出が多く難しいので時間がかかる。しか し、 タイムスケールが数時間から1日程度の浮遊惑星の追観測には、同じタイムゾーンですぐに観測を開始する 事が 重要で、MOA-II と同じサイトにある61cm 望遠鏡が最適である。 今後も、ニュージーランドで現地観 測員 を雇用して、M t . J o h n 天文台にある6 1 c m 望遠鏡で浮遊惑星イベントの追観測を行う。銀河中心 観測が 終了する11月以降は、データ解析を行い、惑星モデルフィットで惑星パラメータの見積もりや、検出効率の見 積もりを行い、それらの存在量を見積もる。
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