研究課題/領域番号 |
24255001
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
小達 恒夫 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (60224250)
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研究分担者 |
牛尾 収輝 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (50211769)
橋田 元 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (00280537)
高橋 邦夫 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (50413919)
飯田 高大 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (90455189)
谷村 篤 三重大学, 生物資源学部, 教授 (10125213)
茂木 正人 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (50330684)
石井 雅男 気象庁気象研究所, 地球科学研究部, 室長 (70354553)
佐々木 洋 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (10183378)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 南大洋インド洋区 / センティネル計画 / オーストラリア / 海洋生態系 |
研究概要 |
平成24年度は、次年度以降の現場観測で使用する表層ブイシステムの製作及び日豪間でのセンティネル計画への協力体制を整えた。 表層ブイシステムの製作:当初計画では、表層観測システムにCO2センサー、下層観測システムにセディメントトラップを吊架する予定であったが、配分予算が限られていたため除外した。また、多面的な観測を行うため、小型軽量化した表層ブイシステムを2系統作成した。一部の観測機器は既存の物を利用した。更に、植物プランクトンの動態をより広範囲に取得するために、クロロフィル蛍光を観測する「IRIDIUM-APEXフロート」を購入した。 日豪協力:平成24年5月8~11日、オーストラリア・タスマニア州ホバート市で開催された、2nd Sentinel Workshopに研究分担者・協力者を派遣し、センティネル計画に関する情報交換と日本側の準備状況を説明した。合わせて、Community Paper(Review of climate impacts on Antarctic and Southern Ocean marine ecosystems and the prognosis for ecosystem by 2100)の作成を行った。8月23日には、第14回日豪科学技術協力合同委員会に、研究代表者及びオーストラリア側の研究協力者(So Kawaguchi、Australian Antarctic Division主任研究員)が参加し、南大洋インド洋区の海洋研究における日豪協力の成果と今後の方向性を発表し、高い評価を得た。また、オーストラリア側の研究協力者が第3回極域科学シンポジウム(立川市)に参加した機会に、日豪海洋研究ワークショップを開催し(11月27日)、情報交換と今後の方向性を議論した。こうした活動は、センティネル本格観測へ向けた日豪協力体制の強化につながった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に試験運用する表層ブイシステムの製作が完了した。また、オーストラリア側の研究者と情報交換を行い、センティネル本格観測へ向けた日豪協力体制の強化につながった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、前年度に作成した「表層ブイシステム」の試験観測と「IRIDIUM-APEXフロート」による観測を行う。 「表層ブイシステム」の試験観測は、東京海洋大学「海鷹丸」の南極航海で実施する。東経110度線上、南緯60度以南の海域において投入・回収を行う。観測時期は、平成26年1月中旬を予定している。投入後、イリジウム通信経由で「表層ブイシステム」の位置情報を把握し、約1週間後に回収する。この試験観測では、植物プランクトン量の鉛直的な分布状況を把握することが可能か検証する。 「IRIDIUM-APEXフロート」による観測は、生物生産が高いケルゲレン海台を横断するように行う。ケルゲレン海台に対し南極周極流の上流側で投入する。投入に適した船舶を選定中であるが、適切な船舶が無い場合には、南極観測船「しらせ」から投入する。「しらせ」を用いた場合、投入時期は平成25年12月中旬、投入位置は東経60度、南緯60度付近を予定している。同フロートは、10日間隔で浮上し、クロロフィル蛍光、水温・塩分データをイリジウム通信経由で国内へ送信する設定で投入する。この設定では、電池の容量から約4年間継続的にデータを送信することが出来る。 国際的なSouthern Ocean Sentinel計画と歩調を合わせるために、国際研究集会に参加する。その一つとして、平成25年7月にスペイン・バルセロナで開催されるSCAR Biology Symposiumを予定している。本研究組織からも同シンポジウムに参加させ、日本の準備状況(本研究課題の実施状況)、特に「表層ブイシステム」及び「IRIDIUM-APEXフロート」の観測を実施予定であることを説明し、今後の計画立案に積極的に関与する。
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