研究実績の概要 |
平成25年8月から9月にかけて、スピッツベルゲン島にて得た試料すなわち、ヒゲアザラシ、ワモンアザラシ、スバールバルトナカイ、シロカモメ、スバールバルライチョウ、ホッキョクチャー(硬骨魚類)、クリオネ(貝類)、および地衣類(Cetraria islandica, Cladonia arbuscula, Cladonia rangiformis, Cladonia furcata, Cladonia convoluta, Hypogymnia physodes, Pseudevernia furfuracea, Lasallia pustulata, Lobaria pulmonaria, Alectoria ochroleuca, Sereocaulon alpinum, Ramalina farinacea, Ramalina fastigiata,, Ramalina siliquosa, Roccella fuciformis, Rocellia fucoides)の放射能解析をおこなった。解析の対象としている核種はセシウム134およびセシウム137である。両者の半減期の違いから放射能汚染が最近のものか、あるいは過去のものか判定可能であり、現在までの解析では北極圏に新しく放射能汚染が生じた証拠は得られていない。それらのデータは総合して、今後のグローバルな環境保全や生物多様性の維持のための対策の一助にもなることと確信される。平成26年10月には20年来の研究協力者であるノルウエーのハンターJoern Eidar Fortun氏を秋田大学に招聘して詳細なデータの解析および今後の研究の方向性に付いて打ちあわせした。その結果、現在は新しい放射能汚染の可能性は低いものの、今後長期にわたる監視は必須であろうとの結論に達した.
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