研究課題
境界域東南アジア熱帯雨林に属する拠点タワー観測サイト(Pasoh)において、下記3点の課題を設定し、研究を行っている。課題1:乱流変動法によるタワーフラックスおよび微気象の長期観測を増強して行い、最終的には14年分のデータセットとし、幅広い環境変動に対するNEE・蒸発散、ならびに気孔開閉・光合成・生態系呼吸の応答特性を定量評価する。課題2:バイオマス動態の長期調査結果から、バイオマスおよびネクロマス参入量変動の22年分のトレンドを抽出する。これに直径変動データから得られた短期バイオマス応答に関する情報や枯死率・分解率に関する情報を加え、タワー観測により得られた情報とのクロスチェック解析を行うことで、バイオマス、ネクロマス、NEEの3者がどのように振動しながら動的平衡を保っているのかを定量評価する。課題3:これらの情報を統合し、気候変動が熱帯雨林-大気間の交換過程に与える影響について考察する。またその結果をもとに、いくつかの広く使われている生態系動態数値モデルについて評価・提言を行う。平成24年度は、まず新フェイズでのタワーサイト連続観測体制を整えた。第一に全天候型CO2/H2Oアナライザーの追加設置を行い降雨時フラックス観測を軌道に載せた。また土壌水分動態および樹冠フェノロジー連続観測体制の増強を行った。また平成25年度に行う予定の統一データベース作成作業に先立ち、各人が個別データベースの整備作業を行った。
2: おおむね順調に進展している
平成24年度は、まず新フェイズでのタワーサイト連続観測体制を整えた。第一に全天候型CO2/H2Oアナライザーの追加設置を行い降雨時フラックス観測を軌道に乗せた。また土壌水分動態および樹冠フェノロジー連続観測体制の増強を行った。また平成25年度に行う予定の統一データベース作成作業に先立ち、各人が個別データベースの整備作業を行った。成果を2報の学術論文および1冊の学術書を公表するとともに、11件の学会発表を行った。以上の点から、概ね順調に進展していると考えている。
平成25年度は、引き続きタワー観測およびバイオマス動態調査を継続するとともに、長期継続にむけた観測体制の整備やマレーシア側協力機関での人材育成に務める。前年度に軌道に乗せた全天候型CO2/H2Oアナライザーによる降雨時フラックスの観測結果や、土壌水分動態、樹冠フェノロジー連続観測結果の解析に着手する。また統一データベース作成作業を行う予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (11件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Journal of Plant Research
巻: 125 ページ: 735-748
DOI:10.1007/s10265-012-0495-5
Journal of Tropical Ecology
巻: 28 ページ: 557-570
DOI:10.1017/S0266467412000569
http://www.bluemoon.kais.kyoto-u.ac.jp/pasoh/