研究課題/領域番号 |
24255014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小杉 緑子 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90293919)
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研究分担者 |
中路 達郎 北海道大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40391130)
新山 馨 独立行政法人森林総合研究所, 国際連携推進拠点, 拠点長 (70353795)
野口 正二 独立行政法人森林総合研究所, 水土保全研究領域, チーム長 (90343780)
高梨 聡 独立行政法人森林総合研究所, 気象環境研究領域, 主任研究員 (90423011)
岩田 拓記 信州大学, 理学部, 助教 (10466659)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 群落CO2交換 / 蒸発散 / 炭素動態 / 水分動態 / 気候変動 |
研究実績の概要 |
境界域東南アジア熱帯雨林に属する拠点タワー観測サイト(Pasoh)において、下記3点の課題を設定し、研究を行っている。課題1:乱流変動法によるタワーフラックスおよび微気象の長期観測を増強して行い、最終的には14年分のデータセットとし、幅広い環境変動に対するNEE・蒸発散、ならびに気孔開閉・光合成・生態系呼吸の応答特性を定量評価する。課題2:バイオマス動態の長期調査結果から、バイオマスおよびネクロマス参入量変動の22年分のトレンドを抽出する。これに直径変動データから得られた短期バイオマス応答に関する情報や枯死率・分解率に関する情報を加え、タワー観測により得られた情報とのクロスチェック解析を行うことで、バイオマス、ネクロマス、NEEの3者がどのように振動しながら動的平衡を保っているのかを定量評価する。課題3:これらの情報を統合し、気候変動が熱帯雨林-大気間の交換過程に与える影響について考察する。またその結果をもとに、いくつかの広く使われている生態系動態数値モデルについて評価・提言を行う。 平成26年度は、課題1について、タワー観測およびバイオマス動態観測を継続し、同時に観測体制の整備やマレーシア側協力機関での人材育成をおこなった。また降雨時・降雨後の生態系フラックス観測結果を取りまとめるとともに、樹冠フェノロジー連続観測や、個葉のガス交換観測等の結果について公表した。課題2について、バイオマス動態から得られるNEEと生態系フラックスNEEとの比較解析を行い、結果は現在取りまとめ中である。また課題3について土壌水分動態と生態系フラックスとの関係性についていくつかの調査を開始するとともに、一斉開花と気候との関係やガス交換への影響について解析をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1について、タワー観測およびバイオマス動態観測を継続し、同時に観測体制の整備やマレーシア側協力機関での人材育成をおこなった。また降雨時・降雨後の生態系フラックス観測結果を取りまとめるとともに、樹冠フェノロジー連続観測や、個葉のガス交換観測等の結果について公表した。課題2について、バイオマス動態から得られるNEEと生態系フラックスNEEとの比較解析を行い、結果は現在取りまとめ中である。また課題3について土壌水分動態と生態系フラックスとの関係性についていくつかの調査を開始するとともに、一斉開花と気候との関係やガス交換への影響について解析をおこなった。成果として2報の学術論文および1報の短報を公表するとともに、10件の学会発表をおこなった。以上の点から、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、引き続きタワー観測およびバイオマス動態観測を継続するとともに、長期継続に向けた観測体制の整備やマレーシア側協力機関での人材育成に努める。降雨時・降雨後の生態系フラックス観測結果をもとに、最新のGPP,RE,NEEデータベースを構築する。また、このデータベースを用いてバイオマス動態とのクロスチェックを行う。本森林の炭素動態において重要な決定因子となっている土壌水分動態の影響を様々な切り口で解析する。
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