東南アジアにおけるシガテラと原因渦鞭毛藻の分布について、前者は発生した中毒事例の聴き取りと原因魚の毒性分析、後者は沿岸浅海域における底生性渦鞭毛藻の採集と形態に基づく分類により調査をした。シガテラは東南アジア各地で発生したと言われていたが、原因毒まで精確に調べた例がなく、2014年7月にホーチミンで発生した食中毒の原因魚にシガトキシンを検出でき、初めてシガテラ発生を確認しえた。有毒渦鞭毛藻のGambierdiscus属やOstreopsis属は調査を行ったタイ湾、南シナ海沿岸域に広く認められた。発生量はいずれも極めて少なく、広い海域に分布していたため、広域化の有無は確かめられなかった。
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