研究課題/領域番号 |
24255019
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
小崎 隆 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (00144345)
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研究分担者 |
大山 修一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (00322347)
舟川 晋也 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20244577)
伊ヶ崎 健大 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 研究員 (70582021)
杉原 創 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センタ―, 助教 (30594238)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 土壌学 / モデル化 / 環境 / モニタリング / 環境調和型農林水産 |
研究実績の概要 |
サブサハラ・アフリカにおける時空間変動を考慮した養分動態モデルを構築するためには、時間(具体的には季節)で変動する可給態養分量と、空間で変動する養分量(具体的には溶脱によって鉛直下向きに移動する成分と侵食によって水平方向に移動する成分)を現場で実測する必要がある。本年度は、ニジェール(国際半乾燥熱帯作物研究所西・中央アフリカ支所)、タンザニア(ソコイネ農業大学)、カメルーン(農業開発研究所)における圃場試験を継続した。その結果、①ニジェール、タンザニア、カメルーンという気象パラメータと土壌の温度、水分パラメータとの関係に関する情報が限られている地域において、極めて重要な一次データおよびその相互関係に関する知見を集積しつつある。②養分量の時間変動については、特に降水量の多いカメルーンにおいて土地利用毎に土壌微生物が保持する養分量を経時的に実測した結果、土壌微生物が保持する養分量の時間変動が予想通り小さいこと、その一方で可給態養分の質は土地利用(特に休閑植生の存在)により大きく左右されることを明らかにし公表した。③養分量の空間変動については、ニジェール、タンザニア、カメルーンにおける侵食量や溶脱量を実測するための圃場試験が順調に進んでおり、現在採取した試料の分析を順次進め、解析に供している。なおタンザニアでは、本年度の年間降水量が例年よりも極端に低く、その様な少雨年では特異的に養分の空間変動が起こらないことを明らかにした。 これらの圃場試験に加え、西アフリカ・中部アフリカにおける社会・経済条件を明らかにするため、本年度も現地の農村における調査を継続し、特に生業形態を明らかにするとともに、その成果を公表した。 また、サブサハラ・アフリカにおける熱帯農業の特質を相対的かつ普遍的に評価するため、本年度も温帯・熱帯アジアの畑作地における海外調査を実施し、その成果を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、本課題の遂行に必要な圃場試験が継続され、順調に知見が蓄積されていることから、本課題は「おおむね順調に進展している」といえる。最終年度も治安の許す地域ではこれらの圃場試験を継続することで、養分動態モデルの構築に十分な量と質の実測値を収集できると期待される。
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今後の研究の推進方策 |
本課題は「おおむね順調に進展している」ことから、特に研究計画を変更する必要はない。最終年度も当初の計画通りに研究を進める予定であるが、ニジェールでは治安状況によっては試験を継続しない。
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備考 |
受賞(5件):伊ヶ崎健大 日本土壌肥料学会第32回奨励賞、田中・伊ヶ崎・真常・飛田 日立環境財団第41回環境賞環境大臣賞および優秀賞、Ikazaki et al. 第20回世界土壌科学会議優秀発表賞、Shinjo et al. 第20回世界土壌科学会議最優秀ポスター発表賞、伊ヶ崎健大 農学会第13回日本農学進歩賞
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