研究課題
テニア科条虫によって引き起こされるヒトならびに家畜における嚢虫症、エキノコックス症、ヒトで成虫になるテニア症に関する病原性の進化と地理拡散に関する総括的研究はほぼ当初の目的を達成できた。5月現在国際専門誌に公表されている論文は12編、現在投稿中の論文が4編である。本事業により、2つの地理的遺伝子型(アジア型、アフリカ型)が混在していることが証明されていたマダガスカルで採取された有鉤嚢虫のミトコンドリア(1N)と核遺伝子(2N)を比較解析した結果、2つの異なる遺伝子型の成虫間での他家受精が起こっていたことを示す遺伝子交雑個体が確認された(業績6)。これは雌雄同体である条虫が他家受精することを証明した成果である。エキノコックス症を惹き起こすエキノコックス属条虫を、9種類に再分類し直し、テニア属を3属に再分類した前年度までの成果に基づき、アフリカ、エチオピアで採取されたテニア属、エキノコックス属条虫の遺伝子解析から、これまで報告されていない複数の新種の存在を強く示唆する成果(業績12)、テニア属条虫のアフリカ起源に疑問を投げかける成果(業績10)が得られている。さらに、モンゴルにおけるエキノコックス条虫の遺伝子解析、患者(業績9)解析成果から、現在5種類から構成されている、いわゆる単包虫症を惹き起こす単包条虫を病原性、疫学成績、抗体応答性など、すべてが1種類によって引き起こされていたという時代のWHOのガイドラインの見直しが必要であるという提言をTrends in Parasitologyに再投稿中である。すなわち、遺伝子確認により5種類のいずれによる症例かを確認が評価の大前提であると。テニア科条虫の遺伝子解析から、種の概念、種の分類、生殖戦略を見直す世界に発信できる成果が得られた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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