研究課題/領域番号 |
24300008
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷口 秀夫 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (70253507)
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研究分担者 |
乃村 能成 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (70274496)
山内 利宏 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80359942)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 基盤ソフトウェア / オペレーティングシステム / ゼロコピー通信 / マイクロカーネル / 高速サーバ間通信 / ドライバプロセス / 入れ替え |
研究概要 |
マイクロカーネル構造の基盤ソフトウェア(オペレーティングシステム:OS)では、システムの高い適応性と頑健性を可能にできる。このための技術を確立するために、基盤ソフトウエアを開発する。 平成25年度は、マルチコアプロセッサにおけるOSサーバの負荷分散機能、マイクロカーネルOSにおけるTLBのソフトウェア制御法、およびOSサーバ間高速通信機能について研究開発した。 マルチコアプロセッサにおけるOSサーバの負荷分散機能として,OSサーバをコア間で移動させる機能を設計し,その設計に基づく処理プログラムを作成し,その動作を確認した。また,同一種類のOSサーバを複数作成する機能を設計し,本機能に基づくプログラムを作成し,負荷分散の効果があることを確認し,負荷分散により通信性能を向上できることを明らかにした。 マイクロカーネルOSにおけるTLBのソフトウェア制御法については、平成24年度に確立したSH4プロセッサに代表される比較的低機能なメモリ管理ユニット(MMU)を対象とした高速通信機構に基づいて,TCP/IP通信性能を評価し,モノリシックカーネルと同等の性能を出せることを確認した。また,ファイルサーバのファイル転送処理において評価し,転送処理時間を向上できることと,TLBミスと処理時間の関係を明らかにした。 OSサーバ間高速通信機能については、異なる種類のOSサーバ処理間でファイルキャッシュの一部を共有し連携させることで,高速なファイル転送方式を実現する方式を設計し,試作によりその効果を明らかにした。 さらに、マルチコアプロセッサを利用したマイクロカーネル構造の基盤ソフトウェアについても、研究開発を進め、マイクロカーネル構造でないOSについても排他制御方式の試作を行い、評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
交付申請書に記載した「研究の目的」と研究実施計画の平成25年度予定 に対し、記載項目は順調に進んでいる。これらの項目に加え、新たにマルチコア プロセッサの利用に関する研究も行っており、①相当と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した「研究の目的」と研究実施計画に従い、着実に研究を遂行 する。また、多くのプロセッサがマルチコア化されていることを考慮し、マルチ コアプロセッサの利用についても検討をさらに進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ予定通り,予算を使用し,研究は想定以上に順調に進捗いるものの,残額がわずかに生じた. 最終年度は,研究成果を発表する機会が多くあり,無理に残額を消化するよりも,最終年度である平成26年度に利用した方がより有効に活用できると判断し,次年度使用額がわずかに生じた. 最終年度の研究成果発表旅費として使用する.
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