研究課題/領域番号 |
24300012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本村 真人 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90574286)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リコンフィギュラブル / プロセッサ / データパス |
研究概要 |
今年度は、処理の内容が多岐にわたり、かつ低消費電力性が強く求められる組込み用途をターゲットとし、連鎖型データパスプロセッサの一つのアーキテクチャ形態である「Control-Flow Driven Data-Flow Switching(CDDS)可変データパスアーキテクチャ」と呼ぶ新しいアーキテクチャを提案した。このアーキテクチャは、(1)動的再構成を必要最小限な範囲に限定することで、柔軟性と低消費電力性の両立を目指す、(2)既存命令列をそのままデータパスにマッピングすることで、既存アーキテクチャからスムーズに移行可能なリコンフィギュラブルプロセッサを目指す、の2点をその特徴とする。今年度は、予備的な評価として、小規模なプログラムを手動マッピングし、その基本的特性を調査した。 一般的にプログラムをコントロール/データフローグラフで表したときに、コントロールフローの分岐点で、次に実行するデータフローが選択される。このとき、実際に変更されるデータフローは実行中のデータフローから、選択したデータフローへの接続部分のみである。よって、プログラムのデータフローをマッピングしたとき、コントロールフローの分岐点では接続部分を構成している部分のみ再構成すればよい。 我々はこの観点に基づき、データパスを可変部と固定部に分割し、実行時に可変部のみ再構成することを考えた。これにより、全体を再構成するのに比べ、可変部のみに動的再構成部分を減らすことができる。また、固定部は切り替えないために組み合わせ的に実行することができる。そこで、既存の命令列を固定部に配置し、組み合わせ的に実行する。このように動的再構成を必要最小限な範囲に限定することで低消費電力化を狙う。 アイデア実証を目指して、CDDSプロセッサの具体的を開始した。本体プロセッサとしては命令拡張が可能なLattice社のLattice Mico32(LM32)を利用し、定性的な効果の見積もりを行った。LM32の開発環境Lattice Diamondを使い、プログラムをコンパイルし、一度バイナリコードを生成した。次に、そのバイナリコードを逆アセンブリし、アセンブリコードから構成情報を手動で生成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時の「連鎖型データパスプロセッサ」のアイデアを深堀し、新しくCDDS可変データパスアーキテクチャの着想を得ることが出来た。また、具体的な構成にまで検討を進め、初期的な評価を行うところまで進めることが出来た。一方、アーキテクチャ評価に力を入れたためチップ試作には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は詳細な消費電力、性能評価を行うためのプロセッサのシミュレータ環境を整えるとともに、チップ試作による実証を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度はチップ試作を行わなかったため、チップ試作を想定していた分の未使用額が発生した。未使用額はチップ試作、及び試作したチップを用いた電力評価環境の構築・実施に使用する。
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