研究概要 |
本研究では,インターネットに流通するmpp3などの音楽ファイルをギガ帯域でリアルタイムに検出し,楽曲を特定・ライセンシングするために必要な,ハードウェア・サポートによる超高速電子指紋検出技術およびその関連技術について研究する.ここで解明すべきことは,以下の3点である. (1)精度について,実用に耐える精度で楽曲を特定できる,高精度な電子指紋計算アルゴリズム (2)速度について,ギガ帯域に対応可能とするための,加減算中心のハードウェア指向の電子指紋検出アルゴリズムの開発 (3)検索について,100万曲の指紋データベースから瞬時に楽曲を特定可能な,電子指紋の超高速検索機構 2012年度は電子指紋検索の高精度・高速化へ取り組んだ. 1.1)検出した電子指紋と合致する楽曲データを,大量の電子指紋データベースから検索する.従来ではシーケンシャルサーチを行っていたが,データベースの大規模化に対応できない問題があった.そこで本研究では局所性鋭敏型ハッシュLSHを用いた検索アルゴリズムを検討した. 1.2)データベースは大規模であり,FPGAチップ上のメモリに収容しきれない.そこで効率的に検索を行うため,階層型LSHを提案した. 1.3)最上位層のLSHデータはFPGAチップ内のブロックRAMに収容されるが,このブロックRAMへのアクセスが高速化の際のボトルネックになる.2つのブロックRAMを交互に使い見かけ上スループットを2倍にするPing-PongブロックRAMアーキテクチャを開発し,実装した. 1.4)さらに,本アプリケーションで複数のチップを高速に結合する方法として,当研究室で従来から開発していた階層型相互結合網を拡張し性能を評価した. 1.5)また,基礎テクノロジとして,指紋検出を広域分散環境で行うための基盤技術について研究した.
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