研究課題
平成24年度に構築したプロトタイプシステムでは、暗号化および分散冗長化の処理をクライアントまたは信頼できるサーバ上で行っていた。平成25年度は暗号化技術を併用し、分散冗長化の処理をクラウド上で実行するよう拡張した。これにより、クライアントからの通信量を元データと同等に抑え、負担の大きい秘密分散処理や分散後の転送処理がクラウド上で行うため、十分な処理能力を持たない機器からでもシステムが利用できるようになった。平成26年度は、分散して配置するファイルサーバをシングルサインオンにより設置組織間で連携し、クライアントから複数のファイルサーバにシームレスにアクセスできるようにした。シングルサインオンはファイル管理サービスを行う部分(SP: Service Provider)と、利用者認証を行う部分(IdP: Identity Provider)を分離する。これにより、本システムの活用形態を3 つに分類した。(A)「SP, IdPの両方を運用する組織」は大学等が電子情報を相互に保持する形態で、本研究の典型的な利用方法である。(B)「SPのみを運用する組織」は自らがサービス提供者としてシステムに参加する形態で、ストレージ事業者がバックアップサービスを提供する場合に相当する。一方、(C)「IdPのみを運用する組織」は自前のストレージを持たず、(A)や(B)が提供するストレージサービスを自らの利用者に提供する場合に相当する。本システムはこれらの利用形態に柔軟に対応できることを確認した。また、ストレージ事業者が参加する場合を想定したオールインワンファイルサーバ(アプライアンス)の構築の検討を行った。安価なサーバとストレージで構築できるほか、プライベート/パブリッククラウドで動作する仮想サーバとしても構築できる。連携研究者や研究協力者の拠点に物理サーバを実際に配置する実証実験は行えなかったが、プライベートクラウド上での連携実験により動作検証を行った。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (34件) (うち招待講演 6件)
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