| 研究課題/領域番号 |
24300026
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| 研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
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研究代表者 |
JIANG Xiaohong 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (00345654)
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| 研究分担者 |
高橋 修 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60381282)
福士 将 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (50345659)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | MANET / キャパシティ / リレーアルゴリズム / 遅延 |
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| 研究概要 |
1．マルコフ連鎖理論とリャプノフ理論に基づいて，あるルーティング手法の下でのMANETsのスループットキャパシティを研究した．この成果を発展させ，グループベースのスケジューリング法を用いるMANETsの一般的なスループットキャパシティを導出した．これは，任意のルーティング法と一般的な伝送レンジのMANETsに対して適用できるものである．
2．2ホップリレールーティングと末梢符号技術を用いるMANETsに対して，複雑なメッセージ拡散過程をモデル化するための，一般的な有限状態の吸収マルコフ連鎖理論フレームワークを開発した．そして，そのフレームワークを応用し，任意のメッセージサイズとライフタイムの下でのメッセージ配信確率を研究した．
3. メインチャネルと盗聴チャネルに相関性がある場合の，無線の準静的なフェーディング盗聴チャネル上での秘密データの伝送を研究した．伝送電力が無限大に近づくものとして，フェーディング盗聴チャネルに対する漸近的な伝送断の確率（outage probability）と漸近的な伝送断の秘密キャパシティを導出した．その理論的結果に基づき，チャネルの相関性が漸近的な伝送断の確率と漸近的な伝送断の秘密キャパシティに及ぼす影響を調査した．
4．信頼性のあるシングルホップの無線マルチキャスト，すなわち，ある送信者から受信者グループへの無損失のデータ伝搬を研究した．ブロックレベルARQとネットワークコーディング技術に基づいた，効率のよい信頼性のあるマルチキャスト手法を開発した．この手法の帯域幅効率に関する性能を示すために，理論解析とシミュレーションを行った．その結果，この手法により，チャネル利用効率を大幅に向上可能なことを示した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マルコフ連鎖理論とリャプノフ理論に基づき，あるルーティング手法の下でのMANETsのスループットキャパシティを研究した．そして，この成果を発展させ，任意のルーティング法と一般的な伝送レンジに適用できる，一般的なスループットキャパシティを導出した．さらに，末梢符号を用いて，2ホップリレーのMANETsの配信確率性能を研究した．また，フェーディング盗聴チャネルに対する漸近的な伝送断の確率（outage probability）と漸近的な伝送断の秘密キャパシティを導出し，無線ネットワークで信頼性のあるマルチキャストを実現するための，ブロックレベルARQとネットワークコーディング技術に基づく手法を開発した． 関連する研究成果は，10編の論文誌と12編の国際会議論文として発表/採録された．
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度の研究に基づき，正確な容量の解析を行うためのマルコフ連鎖に基づく理論的フレームワークと正確な遅延の解析を行うための待ち行列理論に基づく理論的フレームワークを組み合わせることにより，様々なモビリティモデル，トラフィックパターン，リレースキーム，伝送電力制御の下で，正確な容量と遅延のトレードオフを調査する．また，対応する遅延制約付き容量も導出する．さらに，正確な容量と中断のトレードオフと，これに対応する中断の制約付き容量を詳しく調査する．
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| 次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度内に3名の著名な専門家を招聘できなかったため，平成26年度に2，3名の専門家を招聘し，我々の調査能力を補完するための知識や専門技術を提供してもらう予定である．
平成26年度に2，3名の専門家を招聘し，我々の調査能力を補完するための知識や専門技術を提供してもらう予定である．また，ポストドクター研究員1名と博士後期課程学生3名をRAとして雇用し，MANETsのキャパシティ解析，プログラミング，シミュレータ開発，様々なネットワークシナリオやモビリティモデル，リレースキームの下での，非線形整数計画に基づくMANETsのキャパシティ最適化の研究について，支援を得る予定である．本研究計画に配分された旅費は，いくつかの有名な国際会議への出席や，関連する研究分野の専門家への訪問に使用する予定である．セミナーや国際会議での発表やトップレベルの論文誌への投稿により，本研究の発展のための貴重なフィードバックを得ることを期待している．
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