研究課題/領域番号 |
24300027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
前田 香織 広島市立大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00264953)
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研究分担者 |
近堂 徹 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90437575)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | IPモビリティ / マルチキャスト / ポリシーハンドオーバ / QoS |
研究概要 |
24年度の研究計画の2つの項目に関する成果は以下のとおりである。 (1)ポリシーベースハンドオーバ制御の設計 マルチキャスト通信のハンドオーバにも適用できるよう、従来開発していたポリシーベースハンドオーバ制御機構の見直しを行い,24年度の計画にあった(1)ハンドオーバ前の通信状態の計測、(2)移動端末の位置等に応じたマルチキャスト利用可能情報の取得、(3)どのネットワークを優先的に使用するかなど利用者の要求事項をハンドオーバに反映させる方式,(4)移動端末がマルチキャスト通信不可能エリアにいるかの判断機構に関するハンドオーバ制御の方法を検討し,(1)、(3)の機能は既に24年度中にプロトタイプシステムとして実装した。これにより、予め移動先のネットワークの通信性能等を知り、それをハンドオーバに反映する部分の設計と実装ができたこれに関しては2012年9月の学会研究会で発表し,2013年7月の国際会議にも発表予定である。 (2)IPモビリティ機能の拡張 移動端末がマルチキャスト通信不可能エリアに置かれた場合はユニキャストによる中継を使用し、アプリケーションには継続して同一マルチキャストを受信させるための制御が必要となるが,そのために24年度は計画に沿ってマルチキャスト通信とユニキャスト通信を併用しながらよりQoSを高める通信方式(併用方式)の提案と開発を進めた。マルチキャストとユニキャストの併用方式に関しては2012年5月に学会研究会で発表した。 これらの研究成果は移動端末のマルチキャスト通信において端末の通信状態や利用者の要求等を反映したハンドオーバ制御ができるようになる点が学術的特色として重要であり,研究が進んでいないIPモビリティにおけるマルチキャストハンドオーバに関する研究に寄与するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度に掲げた2つの項目のうち、(1)について計画に沿って検討を進め、(1),(3)についてはプロトタイプの実装まで着手できた。(2)についても必要な方式を提案、実装が進んでいる。どちらも成果を外部発表しており、概ね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に検討した点の詳細度を高め,当初予定していた25年度の計画、ポリシーベースハンドオーバ制御機構を用いたストリーム配信プラットフォームの設計とプロトタイプシステムの開発を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度計画のシステム開発において、サーバの台数が当初より少なく開発ができたこととt、予定していた外部発表や研究打ち合わせ等にすべては参加できなかったため、次年度繰り越しが生じた。次年度研究費とあわせて、25年度に必要となる受信クライアントの改修費用や平成24年度の成果の評価用の実験サーバ。外部発表の旅費にあてる予定である。
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