研究概要 |
車々問・路車間通信で安全運転を支援する協調型ITSに関して,欧米では広帯域通信方式の利用が予定されており,これをもとにアーキテクチャが設計されている.一方で,日本では狭帯域の通信しか利用できないため,LTEなどの高速携帯電話通信を併用したネットワークアーキテクチャを構築を実現することが本研究のR的である. まず,ITSネットワークアーキテクチャの基礎検討として,欧米のネットワークアーキテクチャの標準であるISO 21217 CALM Architecture,アプリケーションの要件であるETSI DTS 101 539-1 RHS Application requirements specificationの詳細分析した.そして,国際標準化機構(ISO)のITS技術専門委員会(TC204)走行制御システム(WG14)において,協調システムの要求条件に関して日本としての標準化案であるBasic requirements for hazard notification systemsの第一段階(PWI提案)を提案し2012年10月開催のモスクワ会議において承認された. 一方,車両など動的な物体を階層化的に管理する地図データベースの階層的データを伝送する目的で,車々間通信を利用して効率的にデータ伝送を実施する方式を考案した.データ量の増加に伴う伝送遅延の問題に対し,各階層の特性の違いに注目し,緊急性の高いデータは遅延を小さく伝送し,緊急性の低いデータも遅延はあるが確実に伝送できる方式である.シミュレーションを利用し,これらの方式が有効であることを検証した。 また,レーザレンジファインダを利用した安全運転支援システムと同等のシステムを,周りの車両や路側機と無線通信で情報をやりとりできる車々間・路車間通信環境を利用してモデルカー上に実装した後に,比較実験を行い,有効性を確認した..
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
車々間通信・路車間通信の複数の通信路を利用したネットワークアーキテクチャの構築を完了し,車々間通信の基本モデルにおいて,車両情報を含む具体的な階層型地図データデータ伝送のシミュレーションにより検証した.また,実モデル上に実装し動作の確認も行った.加えて,国際標準化機構に対して標準化の提案を行い,第一段階としての承認を得た.
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