本年度は4年計画の研究課題「大規模位置情報画像マイニングによる画像と視覚概念の関係の地域性に関する総合的研究」の4年目で最終年度であった. 本年度は昨年度に引き続き,画像特徴量分布と位置分布の関係の研究を引き続き実施した.特に,Twitter画像データを利用した「位置とイベント」,「位置と食事画像」の関係分析について重点的に研究を行った. 「位置とイベント」の関係に関する分析では,Twitter Stream から自動的にイベントキーワードとイベント画像を検出し,ほぼリアルタイムで処理することを達成した.イベント検出には画像なしの位置情報ツイートも利用し,イベント画像検出には位置情報なしのツイート画像を利用することによって,従来よりも多くのイベントキーワード,イベント画像を抽出することが可能となった. 「位置と食事」の関係分析については,特に日本国内の食事画像について行い,リアルタイムで100種類の食事画像を収集した.収集した画像で位置情報付きのものは約1%程度しか存在しなかったため,「位置と食事」の関係分析のデータの量としては十分でなかったが,テキストから位置を推定することで,収集画像のほぼ1/3におおよその位置を付与することが可能となった.こうしたデータを使った分析の結果,位置と季節によって地域ごとで好まれる食事の傾向に大きな変化があることが明らかになった.
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