研究の最終年度である27年度では、まず、時系列データ類似検索に関して、扱う時系列データを実際の動き表現に対応させるために、高次元時系列データの近似や類似検索が可能なように改善と評価を集中的に行った。また、離散事象を次元の一つとして扱うために必要な事象検出に関する新たな方法を開発しその評価を行った。さらに、継続して本時系列データ単語近似法の実装評価のための基盤環境の整備と国内外研究者との交流による技術深耕を実施した。一方、スポーツ健康応用研究に関しては、エージェントを使用した競技者スポーツ競技向け指導支援システムプロトタイプを構成した。まず、アメリカンフットボールを対象とする選手動作の検索分析システムプロトタイプを開発した。次に、プロトタイプにとって複数競技者とガイドエージェント間での円滑なコミュニケーションを実現するために必要な技術である、会話参与役割の自動推定を可能とするこれまでに開発した方式の適用化を行った。また、競技者や指導者の相談会話中に、エージェントが支援できる適切な会話介入タイミングの検出や発話意図自動推定の手法を考案し、これらの方式を用いて状況変化に適応可能なエージェントプロトタイプを作成した。最後に、各プロトタイプの評価を実施した。これらの成果をジャーナルや国際会議を中心に論文発表を行った。
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