研究課題/領域番号 |
24300040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
越前 功 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (30462188)
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研究分担者 |
合志 清一 工学院大学, 情報工学部, 教授 (40500335)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 著作権保護・コンテンツ保護 / コンテンツ・アーカイブ |
研究概要 |
平成24年度には,[課題1-1]人間とデバイスの感度特性の分析による最適なノイズ信号の検討に取り組み,検討内容をプロトタイプとして試作した.当該研究実績の概要は以下の通りである. [課題1-1] 人間とデバイスの感度特性の分析による最適なノイズ信号の検討 近赤外線光源として用いる赤外LEDは,視覚に与える影響とイメージセンサのノイズ効果を考慮して選定する必要がある.そこで,本課題では,LEDの基本種別(砲弾型or反射型),放射角度,ピーク波長,スペクトル幅,人間の視覚特性,CCD/CMOSセンサの感度特性のデータから,人間の目による知覚度合いとノイズ効果の度合いをシミュレートするツールを開発し,当該ツールに基づいて,赤外LEDを複数選定するとともに,選定した赤外LEDに様々な波長特性を持つ可視域カットフィルタをシミュレータ上で仮想的に適用することで,赤外LEDのピーク波長の変更を最小限に抑えながら,可視域成分をカットする可視域カットフィルタを選定した.上記シミュレータで選定した複数の近赤外線光源を用いて,(a)評価者がノイズ信号を直接見た場合,(b)ビデオカメラにて録画・録音したノイズ光源を評価者が視聴した場合の2通りについて,妨害度合いを評価する主観評価実験(ITU-R BT.500による二重刺激妨害尺度法)を実施し,最適な近赤外線光源を決定した.具体的には,本検討によりピーク波長870nmの赤外LEDに短波長カットフィルタ(カットオン波長870nm)を組み合わせたノイズ信号を近赤外線光源として決定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年9月,ノイズ信号による撮像デバイスの画質劣化が予測と異なり不安定と判明したため,ノイズ信号源の電流値調整やユニット化による高出力化を急遽検討し,再評価を実施した.このため,ノイズ信号の評価が当初の計画より2カ月遅延したが,全体計画としてはおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
ノイズ光源の評価・選定にそれぞれ1カ月の遅延が生じたが,ノイズ信号の仕様は確定したため,以降の研究課題について的確および迅速に対処することで,研究の全体計画における遅延解消につとめる.また,ノイズ信号の評価が2カ月遅延したため,助成金未使用額が生じたが,ノイズ信号の仕様は確定したため,平成25年度においては,平成24年度の未実施項目であるノイズ信号の主観評価実験およびノイズパターンの選定作業に助成金未使用額を利用した.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年9月,ノイズ信号(近赤外線LED)による撮像デバイス(CCD,CMOS)の画質劣化が予測と異なり不安定だと判明したため,近赤外線LEDの電流値調整やユニット化による高出力化を急遽検討し(同年10月),再評価を実施した(同年11月).このため,ノイズ信号の評価が2カ月遅延した. ノイズ信号の空間・時間変化によるノイズ効果の向上の検討のために,ハードウェア開発要員およびソフトウェア開発要員を雇用するとともに,謝金により主観評価要員よる画質主観評価実験を行う.
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