研究概要 |
2コーナーリフレクタアレイ構造の結像デバイスの解像度の向上に関する検討を行った.コヒーレント光を用いた結像に着目し,各リフレクターを通過する光信号成分の位相を調整することを検討した。結像面において位相を揃えることで,コヒーレント光の干渉効果により結像性能が向上することを,市販の光伝播シミュレータにより明らかにした。この結果は,素子の各開口に位相変調機能を付加することで、結像性能が屈折レンズの分解能レベル近くまで向上する可能性を示唆している,また,位相変調機能を付加する場合,各開口辺を,従来の数100umと比較し,数10um程度に微細化することが有効であることを確認した。 また,高解像度化のため、出射光の具体的な波面制御方法について検討を行った.当初は液晶の3次元的配向を利用し,種々の方向に対応する予定であったが,詳細設計の結果,困難なことが判明した.そこで方針転換し,高速に波面制御できるデバイスにより時分割で行うことにし,これに適するデバイスの探索を行った.その結果,KTN結晶(KTa1-XNbXO3)が屈折率異方性△n=0.015と大きく,その応答速度が約1μ秒と超高速であり,有望であることを見出した.但し,デバイス特性が複雑でデリケートなため,原理確認のためのデバイスの設計を行い,現在,基本特性の把握を開始した段階である.波面変調の様子を測定するためにMach-Zehnder型の干渉光学系を構築し,液晶素子をサンプルとして干渉縞による波面変化の観察を行った.また,スケールアップモデルを用いて結像特性を調べる実験を行い,集光スポット径の距離変化を測定した.
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