研究課題/領域番号 |
24300050
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原 辰徳 東京大学, 人工物工学研究センター, 准教授 (00546012)
|
研究分担者 |
新井 民夫 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40111463)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | サービス工学 / プロセスモデリング / サービスCAD / 生産システム / BPMN / ワークフローパターン / ISM |
研究概要 |
本研究が目的とする客観的な提供プロセスの分割およびシミュレーションを実現するためには、その前提となるモデル化の妥当性が担保されていなければならない。この様な視座に立ち返り、本年度は一者が単独で行う業務フローを記述したパターン集 「ワークフローパターン」を用いた提供プロセスの客観的なモデル化についての基礎研究を推し進め、その有効性を示すことに努めた。具体的には、昨年度提案した手法を用いて、(a) ワークフローパターンによるモデル化支援を用いない場合、(b) ワークフローパターンの一覧をそのまま提示したモデル化支援を用いた場合、 (c) 目的に応じて選択がし易い様に、ISM法を用いてワークフローパターンを分類・構造化したモデル化支援を用いた場合、の3つの条件下において被験者実験を行い、検証を行った。評価実験の結果、提供プロセスモデルに関する知識や経験に乏しい設計者に対して提案手法の有効性が示され、以下の結論が得られた。 ・条件分岐は、多種多様な派生形があるとともに、その使用方法が多様であり、設計者の知識や経験に強く依存する。ワークフローパターンを用いることは、こうした条件分岐を含むべき提供プロセスモデルの構築において、特に効果的に働く。 ・ISM法により階層化した結果を利用した支援(先述の(c))によって、設計者の理解度が高まり、かつ使用目的・状況に合わせた利用が促される。これは、プロセスの標準化を図る上で有効である反面、設計者はパターンの選択と配置のみに注力してしまいがちであり、パターン間の結合や個別カスタマイズなどのその後の設計操作が十分に行われなくなる危険性もあるため、注意が必要である。 最終年度は、ワークフローパターンに限らず、サービス利用者と提供者間のやりとりなどを対象とした別のパターン集 「インタラクションパターン」へと既存の提案手法を拡張することを行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究室の学生が取り組む研究テーマとの兼ね合いから、今年度は基礎的な手法構築とその検証に注力せざるを得なかった。そのため、交付申請書に記載したサービスシステムの時間特性の定量解析および実験環境の構築が遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、研究代表者が過去に開発してきた手法を積極的に取り入れながら、交付申請書に記載した当初計画を踏襲する形にて、本研究課題を推進する。具体的には、以下の3項目である。 (a) 受給者の立場からみたサービスの構造的特性の定量解析 (b) サービスシステムの時間特性の定量解析 (c) 実験環境の構築とシステム統合
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初海外で行う予定であった成果発表の場を、国内で行われたサービスの国際会議(ICServ 2013)に切り替えた。これに伴い、更なる成果発表・動向調査を実現するため、次年度使用額が生じた。 6/26-29(University of Miami School of Business Administration,米国)に開催されるthe 2014 Frontiers in Service Conference 他、国内外で開催される会議等に参加し、成果発表・動向調査を行うための旅費、参加費等として使用する。
|