研究概要 |
平成24年度は以下の研究を推進した。 1)12方向音像識別技術の確立の継続 事前実験で計測した被験者のデータは、600間隔によるものであったが、より分解能をあげた300あるいは、これ以上の間隔による意図方向の推定が可能かどうかの検討を24年度に実施し,300間隔の分解能を達成することは頭外音像定位のための伝達関数の計測精度を向上させることが必要であることが明らかになった。本年度は,伝達関数計測時の音響の広がりを抑制するために指向性の高いスピーカーを用いることによって,分解能の高精度化を検討する。 2)ERP識別器の特徴選択及び適応学習 リアルタイムでERP(意図方向)を判定するためのアルゴリズムの検討を引き続き実施する。平成24年度は粒子群最適化手法とSupportVectorMachineによる方法で単試行での方向推定の可能性を検討した。また、比較的安価で高速なGPUを利用したリアルタイムシステムの可能性を検討した。今年度は、これらに関して引き続き検討を進め精度の向上を目指す。特徴抽出に離散ウェーブレット変換(DWT)を用いて,サポートベクターマシン(SVM)で分類を行い,それらのパラメータを粒子群最適化(PSO)で調整するアルゴリズム(WASP)を提案し,その有効性を検証する。 3)機能的近赤外分光計測法(functional near-infrared spectroscopy ; fNIRS)のアーティファクト除去 fNIRS計測信号のアーティファクト除去の検討を行った.本研究では,通常よりも短い距離間隔のプローブを配置することで,通常のfNIRS信号から頭皮血流と脳機能信号とを分離する手法を提案し,その性能評価を行った。平成25年度も引き続き評価・検討を実施する。
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